忍風戦隊ハリケンジャー 巻之四 『トンネルと兄妹』
んと、今回の敵は穴掘り忍者モグドラゴ (モグラ=土竜……漢字を英語に!?)
いきなり石切り場から物語が始まっちゃいました。
「見かけによらず掘り応えあるモグ、この星」
地面の穴から飛び出すドリルつきモグラさん(轟天号をなぜか思い出すカラーリング)。いきなりガンモードのハヤテ丸で撃たれちゃいます。
しかし撃ってから、何をしているのか尋問するのは順番違いませんか、ハリケンジャーの御三方?
知りたければ捕まえてみろモグと『宇宙忍法土遁走り』で地面の中へ退避、
スゴイ速さで足元から攻撃しかけるモグドラゴに『超忍法土走り』でハリケンイエローが土中対決しますが弾き飛ばされちゃいました。
さすがジャカンジャきっての穴掘り名人モグドラゴ。
勝負はこれからとレッドとブルーはトリプルガジェットを構えようとしますが、イエローは参加しません。
「やつの動きがまだ掴めない。やたらにブッ放してかわされると危ない、もっと慎重に…」
言ってる間に電撃食らったレッドはクエイクハンマーを奪って連結しますが、取り返そうとするイエローとの掴みあいになりました。
「勝手にやってろモグ」とモグドラゴは大穴の中へ……
「モグっとほってモグっと進む〜」
「お前が慎重過ぎてグズグズしてるからっ」「戦いに慎重すぎる事なんてない、お前らみたいにただ突っ込めば倒せるってもんじゃない」「そんな事やってみなくちゃわかんない」
「それにどんな危険が待っているか」「そんな事なおさらやってみなけりゃ、わかんないだろっ」
敵に逃げられて、仲間割れを始めるハリケンジャーを館長は憂慮しますが、おぼろさんは『あの子たちに任せるしかない』と二つ目のカラクリボールの最終形を考えるのに手一杯です。
お父ちゃんが話しかけるから変になったと逆切れ。
地面の下のモグドラゴは探しようが無いと途方にくれる二人に「悪い」プライベートだと断ってイエローは走り去ります。 デートかな? と恋に恋する乙女(?)ブルーは憶測しますが、吼太が向かったのは妹の鳴子(めいこ)が働く児童養護施設あおぞら園でした。
小さな女の子フサエちゃんとオヤツ談義をしながら洗濯物を干していた鳴子は、子供達へのプレゼントを抱えた兄の姿をみて大喜びでかけよります。
大好きな鳴子ちゃんに置いてかれないように走り出したフサエちゃんはペンキ塗り中の脚立につまづきます。転落したペンキ屋さんを心配する鳴子と違い、吼太は血相変えてフサエちゃんの無事を確かめました。
「子供がついてきているのが分からなかったのか?! もっと注意しなきゃダメじゃないか」
叱る吼太。でも鳴子は危機一髪だったね〜 と笑ってるし、フサエちゃんも頬にペンキをつけた吼太を笑うしで、吼太一人空回りです。
顔を洗っていた吼太は、鳴子の凄い決意を聞かされます。
アフリカの難民キャンプで子供達の世話をしたい。
「お前、もっと慎重に、もっとよく考えてだな」渡されたタオルを手に説教しようとする吼太ですが「始まった…」と鳴子は耳タコ顔です。
逆にこの一年間の失踪を問い詰められた吼太は「それはスカウトされて疾風流……あ、いや」とモゴモゴ。そのスキに「あ、いつもありがとうお兄ちゃん、じゃーねー」と鳴子はプレゼントもって子供たちのところへ行ってしまいました。
ため息をついた吼太がふと視線を感じると吼太と七海が「よっ」
妹が生まて間もなく両親が事故で死んで俺達はあの施設で育った、と吼太と七海に身の上話を始めた吼太は、夕暮れの波打ち際で苦い思い出を口にします。
12年前、待たせたはずの妹が後を追ってきているのに気づかず、工事の足場近くで吼太がボールをけったら、それが資材運搬中の作業員に当たり、バランスをくずした作業員が落としたパイプで腰を打った鳴子が大怪我したのです。
腕の良い介護師がリハビリについてくれて、すぐに歩けるようになった鳴子は幼くて覚えてないかもしれないけど
「それから俺は決して軽率な行動は取らないと誓ったんだ」
宇宙忍群ジャカンジャ本部センティピードでは、「アレ」が姿を現したとき、手に入れた我ら一向ジャカンジャ地下鉄で凱旋するのです。なんてモグドラゴに穴を掘らせているサーガインからの解説に
「サーガイン、モグドラゴに作戦を急がせよ」
なんて首領タウ・ザント様の期待も背負って穴を掘りまくりのモグドラゴは、各地で地震を起こし地下のライフラインをブチ切りまくりです。
手術中の病院や火事現場、さらには政府の緊急対策委員会招集のニュースを見ていたおぼろさんも大迷惑です。(秘密基地も電気代やガス代払ってるのかなあ)
暗闇の中、非常電源をつけようとしたおぼろさんにドールハウスをひっくり返されたハムスター館長の招集で、窓磨き中の鷹介と、商店街で歌ってた七海は同僚やマネージャーを振り切って出撃。
そのころ吼太は、スーツケースをタクシーから下ろして空港行き電車に乗ろうと駅へ向う妹を引きとめてました。
「決めてた。飛ぶ時は飛ばなきゃって。じゃないと本当の事は掴めないって、それこそ軽率だって思えるくらい。ケガの一つもするくらいに」
決意のかたい妹に怪我の話をしようとする吼太ですが、鳴子は12年前の事を覚えていました。
「あれはお兄ちゃんのせいじゃない。お兄ちゃんが軽率だったんじゃない。私がお兄ちゃんの後をついて歩きたかったの。大好きなおにいちゃんの後を……それでケガしたって全然後悔してない」
「わかんないよ。俺には全然わかんないよ」吼太は歩き去る妹を呆然と見送りました。
モグっとしすぎて一休み中のモグドラゴを見つけ、シノビチェンジして挑むハリケンレッドとハリケンブルーですが、
地面の中から不意に飛び出すその動きに翻弄されるばかりです。
遅れて駆けつけた吼太がもっと慎重に、敵の動きを捉えてからと焦る前で、つっかかっていく二人はジャイロシュリケンを弾かれ電撃を受けますが
「やられっぱなしだけど何となく分かってきたぜ」
「ウン、私も掴めたっ」
ハッと鳴子の言葉を思い出した吼太はジャンプしつつシノビチェンジ。クエイクハンマーで地面をドカスカ殴りまくります。その衝撃にたまらず飛び出すモグドラゴ。
「その手があったかっ」
館長のドールハウスを乱暴に戻したおぼろも、あの形をカラクリボールのシステムに組み込めば……とキーボードかたかた忙しく作業に没頭です。
モグドラゴを滅多打ちにするイエローに「もっと慎重に…」と言い出すブルーたち。たまらず地中にモグドラゴが逃げるとイエローは二人に動きを知らせろと頼みます。了解っと敬礼で答えるレッドとブルー。
「右だ、左に二回出た後は右に出るっ」「その次は後ろよ」そのナイスアドバイスで、イエローのモグドラゴ叩きは100発100中。
地面の上に転げ出たモグドラゴに三重連トリプルガジェット(今回はイエローがトップ)「ブレイクダウンっ」と100tの鉄球が落ちて爆発です。
「わたくしのかわいいコピージャイアントは、破壊されたモグドラゴの能力を全て写し取りさらにパワーアップして再生する事が出来るのよ」とハートマーク内のウェンデーヌの言葉と共に巨大ロボ戦の開始です。
忍風合体の掛け声はもちろんハリケンイエローで旋風神推参。
しかし地面に隠れる巨大モグドラゴの行動パターンは早すぎて読めません。それならこちらもスピードとハリーアップしますが地面の穴に引っ張り込まれて素早さを生かせません。
その時ついにニューカラクリボールが完成しました。ハリーダウンして鎚と書かれたシノビメダルをセット。発動させたのは黄金の羊を象ったゴートクラッシャー。巻いた銀の角がゲンノウとなってるイエローのためにあるようなハンマーです。
地面を叩きまくってモグドラゴをいぶりだし、連打の後、究極奥義・疾風豪快落とし(柄がのびて巨大化したゴートクラッシャーでペッチャンコ)でモグドラゴは撃破されました。ご冥福を祈ります。
空港に駆けつけた吼太は、搭乗手続き前の鳴子を見つけました。
「飛んで来い、お前らしくさ。おれも飛ぶから、おれらしく。がんばれよ」
笑顔で妹をアフリカへ送り出した吼太は、飛行機に向かって手を振りながら少ししんみり。
元気付けようと「腹減ったな、ラーメンでも食いに行こうぜ」「ハンバーガーがいいよ」と鷹介と七海はが大騒ぎしていると
「ちょっと待て、ここはもっと慎重によく考えてだな」
実は懲りてない(?)吼太は後ろ頭を二人にはたかれちゃいました。
「慎重さと大胆さ、戦いには両方が必要だという事じゃ」重々しくまとめるハムスター館長ですが、
おぼろさんにもらったチョコフレークを無視して「わしゃチョコ要らん。ヒマワリちょうだい」と言い出すあたり、……意識までも徐々にハムスター化?
……ヤバ
今回注目すべきは、超慎重派吼太の、いもうと鳴子に対するシスコンぶりでしょうか?
教訓としては、小さい子は後追いのクセがあるので気をつけましょう。
甘えたさんの猫や犬も飼い主の後を夢中で追いかけて車に跳ねられることがありますしね。
ん、慎重なだけではなにも掴めないってことだったかも。