特捜戦隊デカレンジャー  エピソード.30『ギャル・ハザード』



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9月12日
ヒガンバナが赤く咲きこぼれる9月中旬の日曜日。お弁当もってドライブするのに最適ですが、朝はやっぱりテレビの前でアクションの秋と参りましょう。それでは、いってみようか特撮感想日記〜

特捜戦隊デカレンジャー エピソード.30『ギャル・ハザード』
夜中に響くサイレンの音。デカルームへ駆け込んだ5人を迎えるのは、宇宙警察・地球署長ボス(アヌビス星人ドギー・クルーガー)。 「2体の怪重機が戦っているという通報があった」 負傷時とデカマスターにチェンジ(変身)する時以外、宇宙警察幹部のコートを脱いでるのを見たことありませんが、この青犬さんは眠らなくても済む種族なんでしょうか(さすがは地獄の番犬)。 ただ時々シャンプーはしていただかないと……って話がズレた。

「怪重機同士がですか?」バン(赤座伴番・デカレッド)が驚くのも無理はありません。宇宙警察側はまだ気づいてませんが地球近辺の犯罪はエージェント・アブレラが取り仕切ってます。 メカ人間(戦闘員)から怪重機(巨大ロボ)までサポートアイテムを手広く扱うアンダーグラウンドな死の商人としては、顧客同士の利害がかち合って保険と称する賠償問題が発生しないよう、 緻密な管理をしてるはず……て、事にしておこう。87分署シリーズみたいに、複数の事件が同時進行したら小さい視聴者が混乱するから、なんて作劇上のセオリーは考えない方向で……。

「場所はポイント752。ただちに出動してくれ」ボスの指令でチェンジした5人は、シューターからデカマシンに乗り、シートベルトを……って所で6人目の白い研修生が足りない事にデカピンク(ウメコ・胡堂小梅)が気づきました。 「あれテツ(姶良鉄幹・デカブレイク)は?」「特キョウ連絡会議で本部に出張中」答えたのはデカルームにいち早く飛び込んできてたデカイエロー(ジャスミン・礼紋茉莉花)、冷静な状況把握は同僚にも適応されるようです。

「よーし、今日は5人でレッツGO! だ」うきうきしたレッドの声を合図に久しぶりに5台マシンの出動シーンです。映画との並行スケジュールのシワ寄せも、デカブレイクで終わりかな。 それにしても、生身もチェンジ後も全てセット撮影……今週の6人目は出番極小、白つながりのスワンさんと似たり寄ったりの扱いです。

山地を逃げるデビルキャプチャー5(二刀流のゼブラ模様ロボ)を、ナイトチェイサー(森林迷彩)が得物の鎖ガマでガンジ絡めにしていたら、突然 光に照らされました。 「そこの2体の怪重機、ケンカはやめなさい」同時にライトフラッシュを担当するピンクの声がデカレンジャーロボから響きます。 だけど2体は揉み合い続行「聞いてないよー」ダチョウ倶楽部ギャグを淡々述べるイエロー……意味違うし。 仲間割れ? と首をかしげるレッドに 「っていうか、黒い方が逃げようとしているみたいだけど?」デカグリーン(センちゃん・江成仙一)が淡々と解説。そんな淡々仲間にシビレを切らしたのは呼びかけを無視されたピンクです。 「コラーっ」ってハンドル叩いてますが、そのぐらつき加減がチト怖い(税金の結晶を八つ当たりで壊すなよ〜)。

とか、やってるうちに「かたっぽ、やられちゃった」クサリを通じて放たれた電撃で、デビルキャプチャー5は活動停止。 挟み撃ちの危険がなくなったところで、仲裁に入るデカレンジャーロボ「大人しくしろ、事情はデカベースで聞く」しかしデカブルー(ホージー・戸増宝児)の呼びかけも、 やっぱり無視のナイトチェイサーは分銅ぶつけて抵抗です「このー、公務執行妨害だぞっ」やむなくジャッジメントソードで実力行使にでたデカレンジャー、2撃もらった所でナイトチェイサーは胸部の透明パーツから閃光発して、いずこかへ逃走しちゃいました。 残ったのは立ち尽くす警察ロボと倒れて煙吹いてるデビルキャプチャー5……「逃げられたっ」

「倒れた方のパイロットだけでも連行するんだ」実質リーダーなブルーの言葉に「ロジャっ」とイエローがコクピットをスキャンしたら ヒューマノイド型宇宙人の……「女の子? 俺に任せろ」手を打って胸を叩いて素早く飛び出すレッドに続き、「待て、俺だ」下心満々でブルーも続きます。 真の“たらし”グリーンはアゴをなでなで静観の構え「おーおーおー、張り切ってるね〜」 「は〜 一体なんなのよ」肩をすくめるピンクはあきらめ気味「お年頃ですから」腕組みして苦笑のイエローは完璧見限ってる感じです。

SPシューター構えて慎重にコクピットに足を踏み入れたホージー……なんでチェンジを解いている? 危機管理より色気第一リーダーってちょっとイヤン。 金髪振り乱し黒のピチピチ衣装で気絶しているパイロットを見るなり、銃を収め髪をかきあげ最高にカッコつけて抱き起こします。 「大丈夫かいベィビィ。俺が来たからにはもう安心だ」しか〜し、ピアノBGMとピンク花枠ソフトフォーカスをガシャーンと粉砕するヤマンバメイク。 パーフェクトを自認するホージーの“何か”を砕いたのは、蛾のような緑の触角を持つド迫力ギャル(演 あじゃ)でした。

助けおこした中腰姿勢で固まっていたホージーは、やっぱりチェンジといてやってきたバンの「ずりーぞ、相棒」にいつもの“相棒っていうな”を返さず、 「O〜K〜、お前に任した」顔をそらしながらギャルをポーン。倒れてきたギャルの肩を受け止めたバンが横幅と重さとメイクに固まっていると、 逆パンダみたいなアイシャドウに彩られた目が開き「わー、ウッソ信じらんない、何よあんた、この星のデカ?」パニくったギャルのヒザがバンの股間にキーン……バンの“上がっちゃって下りて来ない”顔が、いと哀れ。 それとホージー、武器を持ってない相手になんで無抵抗姿勢とりますか。逆だろフツー。

帰還した5人はすぐにギャルの取調べを開始した…ってナレーション(古川登志夫)とボスに資料見せてる羽耳メカニックのスワンさん(チーニョ星人 白鳥スワン)がマジなだけに、色とりどりのバンソーコー(引っ掻かれた?)貼ったメンツがユカイです。 「どうしたもこうしたもナッシングです」「あの子とんでもないワル」「いやーまったく、一筋縄ではいきませんよ」疲れ果てたホージー、ウメコ、センちゃんがデカルームで死屍累々状態となったギャル相手に、 元気印のバンだけがなんとか対抗……というか取調室で腕相撲同然のつかみ合いでマニキュアコーティングの爪を封じ、何とか供述を取ろうと奮戦中。

「じゃあっ、質問変更、お前なんで降りてきたんだっ」「怪重機に決まってんだろ」「ふざけないで、ちゃんと答えろっ」体力勝負の熱い取調室で、 ジャスミンだけは別次元にいるかのごとく、ノートPCで供述内容の入力作業と裏づけ検索カタカタカタ……猫の勢力争いみたいに高い位置を取ろうと机に足を乗せたバンから備品(PC)を退避させ、ギャルのクライムファイルを読み上げます。

「スロープ星人ファラウェイ愛称ファラ、窃盗で何度も警察に捕まっているようね」不意に目を剥いてバンを振り切るファラ 「窃盗ぉー……ってなに?」噛み付くように答えたのはバン「ドロボーのこったよ!」 「万引きしかしてないっつーの」机を叩き逆ギレ抗議するファラに 「万引きは窃盗なんだっ。立派な犯罪なんだよ!」同じノリで叫び返すバン……お小言にもなってません。

「え、まじ、しんじらんなーい。ワタシ前科モン? お嫁行けないじゃ〜ん」ぶりっ子ファラに、手をワキワキさせたバンが首に筋浮き立たせて天を仰いでいるうちに、ジャスミンが皮手袋脱いだ手で肩に触れ、読心開始。 ところで、容疑者の心を超能力使って無断で読んて知った事実って、裁判では拷問による供述並みに信用度が低かったり、しないんでしょうか。

それはともかくジャスミンが読取った白黒の回想シーン……地球外言語のチラシが乱雑に貼られたどこかの星の高架下(?)で、ファラとダチがしゃがんで通行人に悪態ついてますが、日本の若者みたいにケツを地面につけてないあたり侮れない筋力です。 マント姿の見知らぬ男が前に立ち「なんだオッサン」と見上げたファラに黒い小箱を渡しました。「ウソ、これを運ぶだけでお金くれるの。やるやるぅ〜」 中は絶対見ないと約束し怪重機(デビルキャプチャーにも恒星間航行可能だったとはっ)を借りての運び屋稼業中……やっぱり開けちゃってブリリアンカットなプラチナキング状の宝石に大感激。 「マジ高そう、まじキっレ〜」怪重機を急カーブさせ(宇宙空間でなぜスキール音?)、ネコババしてとんズラぶっこいて地球へ

「とんでもない子ね」「それで怪重機に追われていたのか」納得する二人の刑事からエスパー能力の事を聞かされ 「信じらんない、チョー卑怯」腕組みしてむくれるファラ、当然です。「ふざけんな」なんて机叩いてるバン……それヘタすると脅迫になるよぉ。 相手が未成年者だからといって弁護士呼ぶ権利とか説明しないのもチト不味かんべぇ。

「ボディチェックした時には持ってなかったよね」ジャスミンに運び屋なんて頼む依頼人は危険な相手だと忠告されても、宝石は途中で落したとモゴモゴするファラ。 「ウソつけこいつ」まるで信じないバンにキレるファラ「なんでウソだってわかんだよっ」「そんなのウソにきまってんだろ」またまた掴み合いかと思ったら、 「警察はいつもそうだ、あたいたちのコト見りゃ、ハナからウソツキだ犯人だって決め付けやがて」なんとしおらしく泣き出します。言い過ぎたとバンが目をそらした瞬間

「ニンv」ファラのつま先が無防備な股間にまたまためり込み「バァーカ、泣くわけないじゃ〜ん」ジャスミン巻き込んで倒れたバンを尻目に、 コード入力タイプのキーに手のひらタッチ。キーナンバー押さずになぜか扉をあけて逃げ出すファラ。股間を押さえつつもパネルを操作してロック解除しようとしたバンですが 「開かない……なんでだよっ」なんとスロープ星のある少数民族は触れるだけでどんな機械でも操作できるそうで(判ってるんなら特殊な手袋でもさせとけジャスミン)、デカベース全体の機能がおかしくなってます。

「えー、どうしてぇ? どうして怪重機が勝手に」鉄工所のスワンさんの努力も空しく、格納庫からデビルキャプチャー5を奪ってファラは悠々デカベスーから逃走です。 コクピットの物入れに隠していた小箱を取り出し青いスモークダイヤ(みたいな石)を眺めてうっとり。 回収した怪重機が格納庫から発進したとスワンさんから知らされたボスは、バン達に追跡を命じますが「だめ、発進システムがロックされてる」スワンさんからストップが掛かります。 けど一呼吸遅かったらしく、シューターにホージー・ウメコ・センの3人が詰って、ボスは引っ張り出そうと四苦八苦(っていうか、なぜ3人ともチェンジしてない?)。 「恐るべし機械操作能力」byジャスミン

「先輩、デカベースに到着許可が下りないんですけど、何かあったんですか?」 SPライセンスから響くテツの声に力を得たバンはポイント372付近を東に向かって逃走中の怪重機(に乗った窃盗常習犯の宇宙コギャル)を「とにかく捕まえて押さえとけ」と手短に状況説明。 そして今週はこのシーン限りの素顔のテツがデカバイクロボへの特捜変形やってますが、これもチェンジしてなくていいんですかねぇ。大気圏突入の衝撃を和らげるためにもデカメタル製スーツは着ておいた方がいいと思うんですが。

ですます調後輩の皮を被った特キョウ(FBIみたいなもん?)が迫っていることを知らないファラは、怪重機運転しながらケイタイという11月1日以降だったら、大型車7000円なんてカワイイ罰金じゃ済まないコトをやってます。 その相手はデートを約束してるピロジー(カレシ?)「ごめーんデカに掴まっちゃってぇ、でもでも大丈夫ぅ、もうちょっと待ってて♪」しかしゴテゴテした図体でスキップする怪重機の図ってのはすごいなぁ。

そのスキップは、よそ見運転の挙句、立ちはだかるデカバイクロボにぶつかって終りました(運転中の携帯電話がいかに危険か、お子様の目にもハッキリくっきり)。 「逃がさないぜ」「でたぁ」霧状の攻撃をしかけるファラに「ナンセンス、そんな攻撃は通用しない」と指を立てデカブレイクは一本背負いを見事決めます。 キャッチロープ(黄色い立ち入り禁止テーブのデカイの)でデビルキャプチャー5を無事拘束。連行しようと立たせたら……怪重機は力なくバタン。 コクピットは既に空っぽでした「やられた」だから、みんなハンドルが揺れるほどコンソール叩くなっちゅーに。

「そう簡単に掴まってたまるかってんだっ」デカバイクロボの様子を見上げながらガニマタ走りするファラの行く先は、愛しいピロジーの待つ花の公園。 ピロジー(上口耕平)は緑の蛾の触角を持つスロープ星人の軽げな華奢男。小箱を胸に内股で駆け寄るふくよかなカノジョにを見て「ファラリーンv」と手を広げ、スローモーションで抱きあいます。 どこぞの宝石屋CMみたいにひしと抱きあう蚤のカップル……あ、蛾か。 「チョー会いたかったぁv」「こんな田舎の星での待ち合わせ、チョー心細かったぜv」2人は小箱を開けて宝石を見つめ、イチャイチャくねくね 「これ売って、100年豪遊? みたいなぁ」「マジスゲー、ファラリン最高ー。オレ何があっても絶対ファラリンのこと守るぜ」

「それを返してもらおう」恋路を邪魔しに来たのはイーガロイド(戦闘員松)、左手には銃器らしきものをつけてますが、今回はしっかりゾロ声(中井和哉)です。 ビビるピロジーですがファラは居直ります「どうせ裏ルートで流してる宝石だろ? バレたらアンタだってブタ箱行きだっての。って事はこれは口止め料だよぉ」 「悪人をお手玉、チョーやるじゃん」カレシに褒められてVサイン。そんなファラたちの周りに無言で威嚇射撃のイーガロイド。ハッタリが通用しないとわかったスロープ星人カップルは一目散に逃げ出します「うわー、殺されるぅ」

アバレンジャーの頃にも見た気がする石のオブジェな公園まで走ってきた緑触覚カップルの前には、SPD制服姿のデカレンジャーが待ち構えてました。 「もう逃がさねーぞ」「それが問題の宝石か」そして後ろからは「それを返せ」とイーガロイド。 切羽詰ったファラは「あむ」なんと石を口の中へポイ。喉に詰って必死で胸を叩くファラ以外が固まった中「ゴクン……これで手出しできないだろ」

「愚か者……」不意に響くフリーザ声のエコー。「誰だっ」バンの誰何(やっぱりEp25で戦闘員発注した件は記憶なしか)に応えて、ブレイド第1話みたいにコウモリが群れ集まった中から現れるエージェント・アブレラ。 「こいつだよ、仕事くれたオッサン」見上げるファラを「簡単な運び屋も勤められんとはな」とうんざり口調で見下ろしてます。 お前が今回の黒幕かと訊くバンに「私は被害者だ。こいつのせいで仕事が一つフイになった」手をみせマントを翻し武器を持ってないことを示しながら 「初めましてデカレンジャーの諸君、ここまでの活躍はよーく知ってるよ。私の名はエージェント・アブレラ。宇宙を舞台にちょっとした商売をしている、しがない商人さ」 いやぁ、最近は後半にならないと悪の幹部(でもないか)の名を正義の味方が知らないってパターンが増えましたねぇ。

「今回も惑星爆破の依頼があってね、こんな小娘を雇ったのは目的の惑星チグニータと一緒に爆発しても後腐れがないように、だったんだが」 その目的と手段に怒るデカレンジャーたち……の顔に貼られた色とりどりのバンソーコーがシリアスな場面の一服の清涼剤になってます。 「まさか」ハッとするセンちゃん。「そう、お前が飲み込んだのは宝石なんかじゃない、惑星破壊ミサイルの誘導装置だ」箱から出した瞬間その宝石に向かってミサイルが発射される仕掛と聞いて、 お腹をおさえ箱をみつめ「ウソ」と泣きそうなファラ。

「じゃあもう地球へ向かって……」センちゃんの嬉しくない推理を「その通りだ。あと30分で地球に到達する」とアブレラは裏付けちゃいます。 「だが、この星が爆発しては商売に差し支えるからな。その娘は宇宙の適当なところに捨てさせてもらう。その方が地球を守る諸君にも都合が良かろう」いやぁ、デカ達が微塵もブラフと思ってないあたり、裏舞台から出てきたかいがありましたねぇ、アブレラさん。

「こんなバカいなくなるのは、宇宙の為と言えるだろう」オッサン理論展開するアブレラは 「ンなワケにいくかっ」と撃って来たバンの攻撃をマントで防ぎ、「これはホンのごあいさつ」アーナロイドボール(戦闘員梅を詰めたブツ)を投げてきます。大量に沸いた戦闘員に応じてチェンジした5人の乱戦を暫く眺めた後「いずれ改めて会う事になる。ごきげんよう諸君」アブレラはとっとと飛び去りました。

その間に、イーガはピロジーを殴り飛ばしファラを捕まえようとしてました。 「うそ……マジィ?」半泣きのファラに「マジ」と返事するあたり戦闘用アンドロイドといえども最高級品はユーモアを解するようです。 カレシに助けを求めるファラでしたが「うるせーよ、バカ。ウゼーよ、お前と一緒に爆発なんてゴメンだ。 宝石だって偽モンじゃんか、知るかよー」愛するピロジーは尻餅のまま後ずさり、裏返った声でふり向きもせずに駆け出します。 気落ちしたファラはイーガに抵抗する気力も失い「死にたくなーい〜」とベソかいたまま引きずられてゆきます。

「やめろっ」すんでの所でアーナの群れからハイジャンプで脱したレッドが、二丁拳銃ディーマグナムをイーガの背中に撃ち込みファラを助けましたが……銃が貫通しない世界で良かったなぁ。 「ファラ、オレから離れんなよ」地面に倒れたファラの盾となりイーガに油断なく銃口向けるレッドに 「そんなこと言って、また捕まえるんでしょ」すっかり人間不信のファラは警戒の目を向けます。 煙吹いて起き上がってきたイーガロイドに「バカな、この娘と一緒に心中するのか」地球に向かっているミサイルはどうするつもりだと訊かれ「うるせえっ、後から考えりゃいいんだよ」と応えるレッド、さすがは猪突猛進ヤロー。

「オレは今までのイーガロイドとは違うぜ」アブレラの依頼に忠実なトゲトゲくんは地球を守るため(?)銃を二刀流の直刀に持ちかえて、レッドの間合の外から斬りつけ一旦排除に成功します。石垣にぶつかって動かなくなったレッド。支援するハズの仲間たちは、アーナロイドに足止めされて思うに任せず、レッドとイーガのタイマン勝負を横目で確認するだけで精一杯。 ファラを追い詰めるイーガロイドを止めるのは「待て、その子に近づくなっ。オレはまだやられちゃいないっ」と強がる割にダメージ煙をまとってフラフラのレッドだけ。

イーガの剣からほとばしる稲妻の爆発(市街地だから銀星だけど)の中、満身創痍で疾走するレッド。銃把で受けきれない太刀からも身を盾にして庇ってくれる姿に、さすがのファラも「デカさん」と“さん”づけです。 「ねぇ、なんで……何でそこまでしてくれんの?」思っても見なかった刑事の好意に、腕を揺すってたずねるファラ。その手をそっと外して、銃をくるっと回して立ち上がった赤い背中が今回はやたら大きく見えます。 「当然じゃんか、お前ひとりの命も、この地球の皆の命も、同じように大事な命だ。だから守るぜ。俺たち警察官だもん」

ファラの憧れの視線に背中越しに頷いて見せたレッドの反撃開始。「ふん、バカめ」武蔵2刀流な構えのイーガに対抗するレッドは「どっちがバカか、いま見せてやるっ」 近い間合に飛び込んでのひじ鉄でスキをつき、見事イーガを蹴り飛ばします。さらにとび蹴りでファラから引き離し、ロングレンジからの射撃ですが……回転するわ腕ふるわ、 トドメの「ディーマグナム・ハリケーンショット」ってバリゲ星人ミリバルみたいにクルクルしながらイーガの頭上へ飛んで後ろを取るまで撃ち続ける技……本当はマップ攻撃じゃなかろーか? 

「やったぜっ」自称“今までとは違う”イーガロイドは爆発の中に消えました。タイマンだとデカマスターでも苦戦必至、ピンクがロボ使ってやっと倒したイーガロイドでしたが、ついにレッド単体(ただし火事場のバカ力+使命感補正)で勝てる相手に堕ちたのね。 それとも、口に刀を咥えるギミックがないイーガロイドならゾロヴォイスとゾロ風構えでも三刀流じゃないから怖くない……って事? 

しかし、ホッとするヒマもなく「うおー、デカさぁ〜ん」ファラの悲鳴に見上げてみれば、そこにはナイトチェイサーが聳え立ってました。市街地に森林迷彩が悪趣味なほど目立ってます(っていうか、こんなデカブツに迷彩の意味って……)。 「バーツロイド今から発進」に聞こえる合成音と共に、コクピットに収まったバーツロイド(戦闘員竹)はファラを掴んだ怪重機を飛び立たせます。

「助けてー、こーえ〜」ああ、アバレキラーの悲劇再び……と思ったら大気圏外に出る前にデカバイクロボのキャッチロープが脚部に巻きつき墜落。 キープアウトテープの耐久度も凄いが、落ちた衝撃で潰れなかった右手のファラの耐久力も並じゃありません。実は宇宙コスメ社(仮名)発売のマンバメイクシリーズはデカルメタル並みの対衝撃吸収力がある粒子使用?

デカブレイクの手配でデカマシン5台も既に現着。何時の間にアーナロイドを片付けたのか、後憂もなく乗り込む5人はバンクをかなり略した超特捜合体。 スーパーデカレンジャーロボと、目からのビームが唯一の武器という両足拘束済みのナイトチェイサーでは勝負になるわけもなく、連続パンチの後 「○○ばりのアッパー」(←聞き取れない)をキャッチロープも切れる勢いで放たれ宙高く殴り飛ばされてます。怪重機の頚椎が折れ、マニュピレーターの油圧がイカれても、人質ファラは無事(コギャルってスゲー)。 空高くで解放されたファラをコクピットから飛び出したレッドが空中で無事保護。 人質を失ったナイトチェイサーは落ちてきたところを、ブレイク中心のガトリングパンチで、爆炎の中へ消え去りました。

大丈夫かと聞かれ頷いたものの「あたしのせいでこの星が吹っ飛んじゃう〜」レッドをすごい勢いで揺さぶるファラ。 「心配無用」強い口調でファラのパニックを止め鼻をこするマネをした後レッドはSPライセンスを開きます。 「ボス、バッチリっスよね?」その視線の先には最大火力を誇る宇宙警察のデカブツロボ「ミサイルの軌道は計算した、後は迎撃するだけだ」 ファラがぼーっと見上げる先でデカベースロボの最大必殺技が天に向かって放たれました。 「ボルカニックバスタァァァ!」デカマスターの熱い叫びとともに極太の熱線が大気による減衰率とか蹴散らして、地球到達前のミサイルを宇宙空間で消し飛ばします。 地上に届いたのは一瞬の閃光だけ。あとは澄み渡った秋空が平和に広がるのみ。

「これにて一件コンプリート」決め言葉中のレッドに「やったヤッタやった」と狂喜乱舞のファラはしがみついて、ブッチュ〜。 イーガロイドの攻撃に倒れなかったレッドもこれにはノックアウト。ディープキスと思しき白リップ跡がクッキリ残ってますが……マ、マスク越しだから……か、間接キッスかな、一応。

デカルームに戻ってチェンジを解いた後も、おでこに氷のう乗せてバンは唸ってます。キスで地球外ウィルスに感染……ってワケじゃなく精神的なダメージで熱出したバンの、意外な繊細さを「おいたわしや」なんてからかう仲間。「しっかしハラハラしたよな、今回は」和気あいあいと雑談してたら、 「ホント、まじハラハラしたよねー」騒ぎの張本人が入室。バンは弾かれるように立ち上がって後じさり。 「誘導装置、何とか取り出したわよ」疲れた顔で報告するスワンさんの画像を指差して「この人マジすげーの、お腹チョー空きぃ」と大絶賛のファラは、もう一人の恩人、バンの腕にしがみ付きます。 「あたしぃ、ちゃんと罪償う〜、今度こそキッパリ足洗ってチョーいい子になる。んでバンの奥さんになるぅ」「え゛ー」

「わーすごいじゃん、バン」ウメコは素直に喜び、センちゃんは「結婚式呼んでよね」「ロジャーん」とピースするファラを笑顔で祝福。「ロジャーじゃない」怒るバンに向かって「この度は誠に……」と深々おじぎするジャスミンの隣でウメコも深々。 「先輩、おめでとうございます」地球から長く離れていたテツは女性の好みもチト不明、Vサイン祝福とセンとの握手はマジだかなんなんだか……「カンベンしてよー」ってバンの発言からするとからかったのかな。 一度切れた鉄工所との通信が回復し「どうしたんスか?」スワンさんの助け舟に期待するバンですが 「新しいドレス買わなきゃ、おめでとうバン。じゃあねぇん」どこで聞いてたのか本当に謎ながら鉄工所へのハシゴも外され、バンにはもう逃げ場なし。

ホージーは、ファラが意識を取り戻した瞬間をバンに押し付けた事を寿ぎつつ(初めて見た異星人に惚れる、潜在的恋愛インプリンティングがスロープ星人に無いとは言えまい……)、婚約騒ぎから離れてエージェント・アブレラのことをボスに報告です。 クライムファイルにも載ってなかった“エーリアンツ”と聞き「この地球でアリエナイザーの犯罪が急速に増えた裏にはヤツの存在があるのかも知れん」考え込むボスの横で「気になりますね」腕組みしていたホージーは窓を見つめ、 ホージーの代わりに腕組みを始めたボスも、光の下に出て来たコウモリ男に思いを馳せます「我々の前に姿を現したことにどんな意味があるのか」 それを、知ってか知らずか、どこぞの地下道でバサっとマントを翻すアブレラで今週は引き。

新たな戦いの予感が静かに地球を包み込む。アリエナイザーの犯罪も熾烈を極めていくことだろう。捜査せよデカレンジャー、戦え特捜戦隊デカレンジャーbyナレーター

エンディングミニコーナは 劇場版紹介編
ポスターのアップを引いていくとバンを除く5人組『絶賛公開中の映画、特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』相当練習したらしく見事に声が揃ってます(ポスター指差すウメコがオチャメ)。 「もう見てくれたかな」バンはデカルームでなぜ仲間はずれ? 「俺は見たぞ」「良かったわよー」デスクから指差すボスにしなだれかかるスワンさん……ウワサの映画EDネタかな。 そんなアダルトカップルに対抗するのは「あたしもバンと行くぅ〜」バンを追い詰め捕獲に成功したファラリン……そっか、仲間はずれじゃなくて婚約者とラブラブかくれんぼ中だったんだね、バン(ご馳走様)。

次回予告 エピソード.31『プリンセス・トレーニング』
お忍びで来日……じゃなくて、来地球中の王女がなんとウメコに瓜二つ!? 『ゼンダ城の虜(とりこ)』から定番の要人との入れ替わりネタ、始まり始まり〜。 影武者として、暗殺者だけでなくお姫様業の苦労まで引き受けた、変装の天才ウメコちゃんの大活躍編みたいです。 それにしても、プリンセス衣装のウメコ、可憐に見えてくるから女優ってヤツはオソロシイ。まさに馬子にも衣装……あ、普段は可愛い系ってコトですよ。


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エピソード.29 エピソード.31
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