特捜戦隊デカレンジャー エピソード.28『アリエナイザー・リターンズ』



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8月29日
アテネ五輪最終日、今夜で夜更かしも終わりかな? だけど日曜の朝だけは、スポーツ観戦に背を向けて、台風にだけは注意しつつ、いってみようか特撮感想日記〜

特捜戦隊デカレンジャー エピソード.28『アリエナイザー・リターンズ』
「たすけてー」書類が舞い散る事務室で、モニターの中から救いを求めるOLの声で今週は始まりました。アテネ五輪ダイジェストのせいでライダー以降が潰れちゃうから今週もスーパーヒーロータイムの括りは無し……SHTが復活した時は新ロゴや新バンクになってたりして。

「ポイント039のオフィス街で人間がデジタル化して取り込まれるという事件が発生した」デカルームにボス(アヌビス星人 ドギー・クルーガー)の声が響き、デスク前に黒制服の部下5人と白制服の本部からの研修生1人が集合です。 「それってどっかで聞いたような」バン(赤座伴番・デカレッド)が記憶を探リ始めた直後に 「ケバキーア」あっさり答えるホージー(戸増宝児・デカブルー)、さすがは努力の天才です(というかEp.03で煮え湯を飲まされた相手だから忘れたくても忘れられないか)。 「うむ、ソックリ同じ手口だ」頷くボスの言葉に首をかしげるのは小柄なウメコ(胡堂小梅・デカピンク) 「ケバキーアはデリートしたはずなのに」 身長差と慎重さでウメコとは好対照のセンちゃん(江成仙一・デカグリーン)は「同じリコモ星人の仕業か」と常識的な発言です。

「次に狙われそうな場所、ネットから特定してみます」 ホージーのネットサーチ(って何?)で容疑者のデジタル情報から割り出した次の出現場所……集合住宅の一角にマシンドーベルマンで乗り付けた、 バンとテツ(姶良鉄幹・デカブレイク)。車から降りた直後に聞こえた女性の悲鳴に猛ダッシュ。 そしてダイニングテーブルに置かれたパソコンモニターに女性(辻しのぶ)を引き込む金色頭のリコモ星人ケバキーアを発見です。 「ママー」親に駆け寄る子供(牧野晴)を抱きとめて、モニターから伸びてくる魔手から守るバン。

一方テツは「逃げて、ケンタ! 逃げて」モニターの中から我が子を案じる女性の姿に、炎の中で微笑む女性(松永香織)の顔を重ね、 「キサマっ」闇雲にケバキーアの腕を掴み、左手のインターフェースが発する電撃に弾かれてます。 さらに冷静さを失ってSPシューター向けるテツ 「落ち着けって、なにやってんだ!」バンが跳びついて銃を収めさせる前から、モニターは無人で砂の嵐。 「だいじょぶっ、ママはデカレンジャーが必ず助け出す、だから信じて待ってて」涙ぐむケンタ少年の前にしゃがみこみ、 なぐさめるバンの様子を無言で見詰めるテツからは、いつもの素直さや快活さが消えてます。

マシンドーベルマンに戻ってもうつむきっぱなしのテツに、バンは心配気に声をかけます。 「さっきはどした? テツらしくねーじゃん」 「すみません」沈んだ声で被害者に母親の記憶を重ねていたことを告白するテツ。 「そっか……お前のご両親、アリエナイザー犯罪に巻き込まれて亡くなったんだよな」バンの説明的台詞を補足するように、 幼くて何も覚えていないが、炎の中で微笑んでいる母の顔だけ思い出すと、伏線引きな回想に浸るテツ。

だけど事件は感傷に浸るヒマもなく起きちゃいます。 「次にケバキーアが現れるのは、このポイントのどこかだ」残るデカレンジャー4人がやってきたのは、Ep.5発端の高級マンション前。 なんとサイみたいな角ミサイルでビルが破壊されるのを目撃です。 ウメコが振り返ってみれば堅いのが自慢のアリエナイザー・アンリ星人ベイルドンの仕業。 最近お座敷がかからないロボット警察犬マーフィーK9と共に事件解決に頑張ったウメコは、あの世から戻ってきた強敵にビックリです。 全員で逃げるベイルドンにSPシューター撃ってますが、その程度の火力じゃかすり傷もつかないんじゃあ?

おびき出されるように4人はEp.06のスタジアム前まで追跡し、そこでテツ&バンと合流します。 2人目の再生アリエナイザー出現に何がなんだかわからない一同。一人冷静なセンちゃんが、いち早く敵の存在に気づきました。 「よけろ」散った6人がいた場所を、アスファルトごとえぐったのは、ダイヤモンド粉を入れてもらえず某トリビア番組で日本刀に負けさせられた高圧水流カッター。 「今度はカーサスだ」見上げれば植物タイプの女性型宇宙人が逃げていくところでした。「一体どういいうこと?」もっともなウメコの疑問に 「捕まえて確かめるまでだ」バンはチェンジして屋上までハイジャンプ、猪突猛進男らしい回答です。

しかし屋上は無人。警戒する6人のうちデカイエロー(ジャスミン・礼紋茉莉花)は、サラリーマンのリアルフィギュアに気づいて拾い上げます。 「まさか、ダゴネール?!」Ep.07の人間フィギュアを思い出した直後、「ふわか、ふわか」と物影から逃げていくクオーター星人ダゴネールを見てしまいます。 「気をつけろ、ヤツはこの下だ」6人は一万七百八歳のお金持ちなのに子供っぽいオタクなダゴネールが降りた階段を、銃を構えながらゆっくり降りていきます。 「いくぞ」実質リーダーのブルーの指示で突入した先には……

カラフルな布のオブジェはあっても寒々とした、コンクリート打ちっ放しの部屋。 ガランとした薄暗い室内に置かれた唯一の家具、4人掛けのテーブルには、ケバキーアのお家と同じ製品らしきノートパソコン、 ベイルドンが捜し求めていた人間ガソリン化用の赤い薬、 リドミハ星から来た被害者加害者姉妹が好きだった好物の野菜ピラフが置かれ、 フィギュアケース代わりの風船がフワフワ…… 「誰もいない」人が隠れられそうな場所を手分けして調べた後、チェンジを解いて、それぞれ捜査用手袋はめて関わりの深い遺留品のチェックです。 「ここは4人のアジトなのか?」

余ったテツが凍りついたように見つめているのは、変質的なまでに壁一面に張られた宇宙共通文字の新聞、そしてスクラップブックと同じニュース画像を流し続けるモニター。 全て、一人のアリエナイザーが逮捕された記事やニュースばかり 「テツ、コイツの事、何か知ってるのか」同じく手持ち無沙汰のバンの質問にテツの顔はまた沈みモードです。 「ええ、スペキオン星人ジェニオ。2年前オレが逮捕したアリエナイザーです」 一瞬、そいつが再生怪人の仕掛け人かと思いましたが、 現在アルカポの特殊独房に収監中で、今度の事件は起こせそうにありません。

デカルームに戻った一同はボスからジェニオの情報を通達されてます。ただし、テツだけは自分の席で物思いモードどっぷり。 鏡の中に人間を閉じ込めて 生きたままポートレートにしてしまう、ジェニオの犠牲者は既に数千人。 「そんな凶悪なヤツがなぜデリートされないんです?」ジャスミンの疑問に、 ジェニオの特殊能力は宇宙警察の科学力をしてもいまだ解析できていない、 デリートしたら被害者を助ける事は出来ない……そう答えるボス。2年前の神崎士郎か香川教授の出番かも。

4人との関係は……「自らの犯罪を芸術とうそぶく天才だ、尊敬しているアリエナイザーも多い」 つまりハッキリしないようです。  「そんなヤツ、捕まえたんだ。スゲーじゃないかテツ」犯罪のカリスマを逮捕した特キョウに、いつもの調子で話しかけたバンでしたが 「ナンセンス」テツは暗い顔で手を払いのけちゃいます。 「なんだアイツ」ムッとしたバンに簡潔に答えたのはボス「ジェニオは、テツの両親の命を奪った犯人だ」 驚いた一同がテツを見たときには、ボスの言葉も聞こえてない様子で白制服がデカルームを出て行くところでした。 閉まる自動ドアから一瞬見えた横顔が、苦しげです。

デカベースの屋上に佇み、瞬く町の光を前にしているテツですが、見ているのは過去の記憶、炎の中で微笑み何か言ってる母の顔です。 「テツ、ボスから聞いた。さっきは悪かったな」同僚代表で来たらしいバンに、 「先輩、オレ、ジェニオに会いに行こうと思うんです」犯罪の天才でアリエナイザーに顔が広いヤツならきっと今度の事件の真相を推理できると、思い切ったアイデアを口にするテツ。 ノリは踊る大捜査線ムービー1? 「親の仇のジェニオに頼むのか」驚きを隠せないバンですが、 「ケバキーアに連れ去られる母親の姿を見たとき、あの子を俺みたいにしたくは無いと思ったんです」そんな決意を語られては、Ep1で子供の為に暴走した火の玉ルーキーは賛成するより他はありません 「そっか……頼んだぞ、テツ」

監獄衛星アルカポへとデカバイクを飛ばすテツ「母さんはどうして炎の中で微笑みかけていたのか、何を語りかけていたのか、全てを思い出したい。 ジェニオと会えば何かわかるかも知れない」それは良いのですが、『プラネテス』で無音の宇宙に慣れてると響き渡るサイレンがとっても違和感。まぁ、電波か光を解りやすいよう音訳したものと思っておきましょう。

アルカポの奥、なんだか地下っぽいゲート前で身分証にもなるブレスロットルをテツがかざすと、黒く重い扉が開きました。 「特キョウさんね。ご存知でしょうが、ジェニオは光を反射するものなら、そこに入り込んで逃げ出すことが……」「知ってる」 看守(清家利一)の言葉をさえぎり、差し出されたトレイにブレスロットルやSPシューターといった金属物質を使った武器を置き、 反射物と言うことで、バッチや制服のジッパーやベルトのバックルに黒いテープを貼ってもらった後 「では、これで瞳を隠してください」つや消しの黒いサングラスを渡されるという厳重な準備を経てから、 なぜか地球語と言うかアラビア数字の暗証番号を入力し、テツは自分が逮捕した親の仇の待つ独房へ。

牢の真ん中に本と手紙を置いた机を置き、肘をついて組んだ手に額を埋める黒囚人服のスペキオン星人ジェニオ(声 野田圭一)。その知的な雰囲気は、ほとんど『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター教授。 「おやおや、珍しい訪問者だな」口調もまさにレクターコピー、石田太郎じゃなくても渋さに遜色ありません。 「お前に頼みがあってきた」冷静さを保つテツに 「被害者を開放しろと言うのならお断りだ。自分の芸術作品を壊すようなマネは出来ない」淡々と返すジェニオ。

「デリートしたはずのアリエナイザーが4人も蘇り、犯罪をおかしている。 そのアジトにはお前の資料があった。あの4人とお前は何か関係があるのか」 そのアリエナイザーの名前も告げず質問しちゃうテツに、本気で推理をさせる気があるのかちょっと疑問ですが、 「答えてやっても良いが、その前に、君も私の質問に答えるがいい」条件出してくるジェニオは自信ありげ。きっと今までも色んな推理と引き換えにちょっとずつ独房を居心地よくしてきたんだろうなぁ。

「15年前、両親の最期は覚えているか?」 羊の子を抱えて家出したクラリスをからかうレクターのようなイジワルな質問に、沈黙するテツ。 「君が答えないなら、私も答えないよ」顔を伏せるジェニオをサングラス越しに見つめ、テツは重い口を開きます。 あの頃はまだ幼かった。後になって人づてに聞いたことしか知らない。 ただ、炎に包まれた母親が微笑む顔だけを覚えている。 「でも、その時、なんと言っていたのかは……」淡々とした声の中に苦しさともどかしさを滲ませるテツ。

「嫌な質問によく答えた」
立ち上がったジェニオはテツに手紙の束を見せ「私へのファンレターだよ」 見事な事件を起し、私に認めてもらいたい……そんな目的で犯罪を犯す奴もいると、 黒封筒に白い文字の手紙を抜いて、送り主の名を示します。 「パウチ星人ボラペーノ……一個の細胞さえあれば、どんなアリエナイザーにも変身できる能力がある」 デリートされたアリエナイザーの細胞は、完全に抹消されているはずとの教科書どおりのテツの言葉に 背を向けたジェニオは一言「完全と言う言葉は神にしか使えないものだよ」今、宇宙最高裁判所に神懸りフラグが立った気が……。

「タダのマニアが今では立派な犯罪者になっている。宇宙警察も気づいていないが、既にいくつかの惑星で数千人を殺害しているようだ」 カーサスの件といい宇宙警察はかなりザルっポイです。神がかり的裁判所とがキッパリ分れているあたり、取り締まりすぎなくてちょうどいいのかも。 そんなザル警察のエリートがボラペーノの次の犯罪の推理を頼んでも、ジェニオは取り合ってくれません。 「それぐらい自分で考えるものだ、坊や?」

その頃、地球では死の商人アブレラさんが商談中。相手は 逆光のウルトラマンみたいにスリムな腰に手を当ててる、真っ黒な全身タイツアリエナイザー。まるで名探偵コナンの犯人確定前容疑者のようです。 「リクエストのあったアリエナイザーの契約書だ」共通文字が印字された透明下敷き状の書類の右下を見せるアブレラ。 「奴らの血判が残っている」どうやら鉄分でガス交換する異星人のようで赤い血痕がバッチリ残ってます。 「ここから、細胞を採取できるはずだ。お望みの怪重機も再現して準備してある」金さえ出せば色んなリクエストに答えてくれるマメさが素敵なアブレラさんですが、死んだ顧客のプライバシーまでは守ってくれない様です。

「あっ」ジェニオの課題を考え続けていたテツは不意に近くの通信機に駆け寄りました「地球署にコレクトしてくれ」
「ボス、わかりました。犯人は複数犯ではなく単独犯です。 パウチ星人ボラペーノ。犯行を模倣して喜びを覚えるタイプです」マスターライセンスから聞こえてきたテツの報告を要約した 「コピーキャット、模倣犯か」ってボスの発言で、羊たちの沈黙+レッド・ドラゴンに映画『コピーキャット』まで混ざりこんでまいりました。 最近の犯罪データの順番どおりに犯罪を起こしているはず、というテツの推理通りなら…… 「緊急手配、真犯人はパウチ星人ボラペーノ。次はおそらくザムザ星人シェイクになりすますっ」

「じゃ、きっとマイラさんに会いに行くはずだ!」マシンドーベルマンを駆るバンは、パトライトとサイレンのスイッチオン。 Ep.10で恋して“お友達でいましょう”されたザムザ星人の女性を案じてアクセル全開 「マイラさんはまだ、あの時のマンションにいるっ」「なぜ知ってる?」呆れるジャスミンを振り回すドリフトターンをやってのけます。10月に復活予定の『西武警察』の番宣だったり、します?

一方「見事な推理だったねぇ」アルカポではテツがジェニオ先生にお褒めの言葉を貰ってました。 用は済んだと背を向けるテツ。しかし心の一番弱いところへ爪を立てるジェニオの言葉に足が止まります。 「あそーだ、母親の言葉を思い出せないと言っていたねぇ。知りたくないかい? 坊や。ママの最後を」 悪魔のワナにかかっちゃった気がする中CM入り。Bパート開始前のアイキャッチは初のデカブレイク・光速拳バージョン。いつかデカマスターとスワンさんのコンビアイキャッチとか、作って欲しいものです。

さて、「マイラさんには、手を出させない!」マンション前で気張るバンは、 合流したウメコたちに「まだあの人の事あきらめてなかったの」なんて呆れられ「いや、俺は友達として……」Ep.9が懐かしいキョドリ顔、再びです。 「未練タラタラ」ジャスミンのコメントに、隠れナンパのセンは頭をかきかき同情し、ホージーは目をそらして相棒じゃないふり。
そんな仲間達にバンが抗弁する直前、殺気と共に緑の稲妻が襲ってきます。とっさにデカビーグルを盾にして避けた一同の頭上を、 マント翻し空中抱え込み前転で超えていったのは、ボスの通達どおりシェイク姿のアリエナイザーでした。強敵の登場に、デカレンジャーたちはチェンジして追跡開始です。

シェイクコピーを追ってデカレンジャーがやって来たのは、 ミサイルの信管をマイラが隠しに来たいつかの資材置き場です。「このコピー野郎、お前の正体はわかってるんだ」 剣とディーマグナムのジョン・ウーごっこは、飛び道具のデカレッドの勝ち。 剣を撃ち落されたシェイクコピーは、 ピンクとイエローのダブルキックを受けて体勢を崩し、ブルーとグリーンのディーロッドの突きで吹っ飛ばされ、 仲間4人の人間トランポリンで空高く舞ったレッドの『ムーンサルトショット』をモロに受けちゃいました。 残存細胞からは、マントの万能防御力活用法までは、読取れなかったのか……いや、カバーできない頭上を見抜いたデカレンチームのコンビ攻撃が決まったと解釈するべきかな。

「観念して正体を現しやがれ!」レッドの言葉に 「ならば、見せてあげるよ〜ん」不意にシェイクコピーの声と態度は軽くなり、キューティーハニー……もとい多羅尾伴内な長い名乗り開始です。 「ある時はザムザ星人シェイク、ある時はダゴネール、またある時はリドミハ星人カーサス、そしてまたベイルドン、そしてリコモ星人ケバキーア」 この場合、手を出さないのがお約束、決してデカレンジャー達が職務怠慢な訳では無い、ハズ。「そんなニセモノの顔を見たいんじゃねぇ」短気なレッドはキレてますがディーマグナムを撃ったりはいたしません、 せいぜい銃把で殴りかかるだけ。そんなお約束違反の攻撃を不定形の黒アメーバーになってかわし、影のように距離を取った後、やっと決めゼリフが終わります。

「しかしてその実体は、パウチ星人ボラペーノ(声 阪口侯一)♪」 全身タイツにスライムみたいな赤い口、そして銀の円盤があちこちに……ええっと、こんな時は“これはいいモーションキャプチャースーツですね”がお約束コメント? 「お前、顔ねーでねーの」呆れるデカイエローに続く「どうりでコピーに走ったわけだ」ってデカピンクのコメントも、驚いたり怖がったりと言うより、拍子抜けしてる雰囲気です。

「どうだい、ボクの犯罪ショー、素晴らしかっただろう?」白けているデカレンジャー達に得意げに胸を張るボラペーノは 「言語道断」と怒るレッドを宇宙警察レベルの頭脳じゃ理解できねーかとせせら笑います。 「でもきっと崇拝するジェニオ様なら、喜んでくださるに違いないっ、きゃはっ」そんな理由で事件を起したのか「ふざけるな」と突っ込むブルーを側転でかわし、他のメンバーの攻撃も避けつつ、まずは青いスナイパーをキックで撃沈。 力自慢のはずのグリーンを振り回し、まわし蹴りのお株を奪って体術のキレを見せ付け、強いのかなっと思いきや、不意を突いた火の玉レッドのキックには蹴り飛ばされてます。

しかーし素早く起き上がるボラペーノ。オリジナリティは低くてもHPは高そうです。 ディーアームズ構えて確保に来るブルーとグリーンに、やられつつも後ろに避け、 イエローとピンクのディースティックはバク転で避ける身軽ぶり……とおもいきや、突きはシッカリ受けてます。いや5対1で頑張ってるんだから強さ的にはデカマスタークラスかな。 「やっぱ、強いねー」ダメージ受けたところをなでて立ち上がり、 でも君達の弱点は調査済みだと一休さんみたいに両ひとさし指をペロッと舐めて、頭を指でくるくる(実はジェニオの声の新右エ門さん繋がり?) 「宇宙最強のアリエナイザー、リバーシア星人ブリッツよ」秘密兵器に変身です。

しかし“香典代わり”なんて失礼な挨拶と共に代金を貰わずにドロイド(戦闘員)をヘルズ兄弟の城に置いて行ったアブレラが、血判つきの契約書なんていつ取り交わしたのやら……実はバーツロイド起動の為には、血判から作ったDNAキーが必要とか言って後で郵送してもらったとか?

さて、ブリッツコピーが放つショットガンで撃たれて倒れる5人。 「手も足も出ないだろ」得意の絶頂に「それはどうかな」なんて水かけられて、ブリッツコピーは最大の大技・雷の魔方陣を作りあげます。 電撃の網に5人を捕らえて「とどめだ」雷型の剣を構えましたが……「同じ手は通用しないぜ」地面に輝く魔方陣を攻撃して術を破壊し自由になったレッドたちに、招雷の剣を弾かれちゃいました。

しょうがなくショットガンを撃つブリッツコピー。そのナパーム嵐の中を駆け抜けた5人はまたまたコンビ攻撃。 「フォーメーションF7」『了解』レッドの指示で ジャンプしてのレッドの二丁拳銃で先制し、その肩を踏み台にブルーとグリーンの落差を利用したWロッド攻撃。 水平方向からはピンクとイエローのWキック。ブリッツコピーを蹴った反動で、女性二人は並んでいた男性3人の肩に乗ってのヤグラ陣を組みます。

「デカタワー、パワーシュート」銃を立体的に撃つとどんな効果があるのか、よくわかりませんが、 五色のビームとナパームの火柱の中で、パチ物ブリッツの姿は元のノッペラボウに戻っちゃいました。某ライダーベルトのようにダメージ肩代わり機能が全ての変身には備わっているようです(微妙に召喚魔法?)。

「なぜだ、資料によるとお前らだけではブリッツには勝てなかったはずなのにぃ」頭をこするボラペーノに向かって5人は勝てた理由を口々に説明です。 「おまえさんのコピー完全さ。でもデカレンジャーは進化してるんだ」グリーンに続くのはイエローとピンク 「ブリッツだろうが負けやしない」「正義は絶対勝つんだからね」最後はブルーがクールに締めます。「ショーもそろそろ幕らしいな」 だけど口も態度も身のこなしも軽いボラペーノは「カーテンコールだよぉ」レッドの頭を馬跳びの要領で超え、 なんと爆走してくる復元したゴッドパウンダーのコクピットに収まっちゃいました。

特別仕様の怪重機まで用意した模倣犯ぶりに「さすがコピーキャット、マニア的には尊敬しちゃうなぁ」フィギュアオタク以外にも色々趣味がありそうなグリーンはアゴをなでなで。「褒めてる場合じゃないよっ」 「あ、そっか」感心しきりのグリーンにレッドは突っ込みをいれ、スワンさんにデカマシンの出動要請です。 「ロジャー、みんな頑張ってぇ。デカマシン発進」羽耳メカニックのスワンさん(チーニョ星人 白鳥スワン)の横で、クンクン鳴いてるのはこの夏初めてのマーフィー。 思えばスワンさんの出番も少な目だけど、ロボット警察犬マーフィーことディーバズーカの元は最近、活躍してなかったもんなぁ、オモチャのCM以外では。等身大アリエナイザーのデリートがめっきり少なかったせいだけど。

「ゴッドパウンダーに勝てると思っているのかぁ」 自信満々のボラペーノは重いパンチで資料どおりデカレンジャーロボをよろめかせます。でも、大パンチのチャンスと振りかぶった時、 「な〜んてな」くるっと身をかわされ威力を失ったパンチを掴まれての背負い投げっ 「うそぉー」地面に叩きつけられたゴッドパウンダーに「俺たちは進化してるって言ったろ」得意げに言い放つレッド、成長したなぁ。 で、ゴッドパウンダータックルはジャンプでかわし、起き上がったとこを蹴って、なんと怪重機のハイフォール披露……って一体どこに落ちてるんだか、市街戦なのに。 さらにその手を取って「ジャスティスホールド」なんでまたロボ戦で腕ひしぎ? 柔道とか女子レスリングでメダルラッシュになるのを見越してのアクションか、この後のアテネ五輪ハイライトの劇中番宣かな。

ボラペーノが動かない操縦桿にしがみ付いている間に、ゴッドパウンダーの右アクチュエーターに限界が来たらしく怪重機とコクピットに溢れる稲妻 「え、なにこれ、わーまずいまずい」超伝導によるリニア関節駆動システムあたりが壊れたゆえの放電現象ですかねぇ?

「パウチ星人ボラペーノ、様々な凶悪犯に変身し、コピー犯罪を犯した罪でジャッジメント」 必殺の右パンチを封じられ「どっちだろ、どっちだろぉー」コクピットでビビるボラペーノと、きょろきょろしてるだけのゴッドパウンダーの落差が絶妙です(関節がバカになって首しか動かなかった……のかな)。 そしてレッドの依頼で宇宙最高裁判所が出した判決はデリート許可。「あ、がっくし」最後まで軽かったボラペーノはゴッドパウンダーごと炎の中に消えました。 しかし、5人カウントダウン手続きしてのシグナルキャノンでのストライクアウトって久しぶり。

モニター内から母親が戻り、Aパートでのバンの約束が守られて喜ぶケンタ。それはいいけど 「みんな、事件の被害者たちが次々復活してるわ」なんでドキーの手を強引に掴んで通信してますか、スワンさん。 というか、被害者が戻るかどうか考慮して宇宙最高裁判所のデリート許可不許可は出てたんですねぇ(もしくは警察が戻してたのか)。 「よっしゃー、これにて一件コンプリート。やったぜ、テツ」レッドがデカレンジャーロボをサムズアップさせ、地球の事件は解決しましたが……

アルカポ出張中のテツはジェニオの昔話にすっかり聞き入ってました。 「あの日、私は地球で芸術即品の素材を捜していたのだが、ちょっとしたミスから宇宙警察に追われてしまった。その行く手に邪魔になった車がいたので、吹っ飛ばした」 満月から始まったジェニオの回想は、夜道に飛び出した所にせまる乗用車、そして気弾で横転しするシーンに繋がりますが、再生アリエナイザーと再生怪重機で浮いた予算をこれに回したらしく映画並みのド迫力です。 「それが坊やとパパとママを乗せた車だった」

運転していたテツの父親(吉田勢生)はピクリとも動かず、その額と口元には血がにじみ、 比較的原型をとどめている後部座席から、幼い鉄幹(小室優太)を外へ逃がす母親も下半身の自由が効かないらしく、そのこめかみにはやはり血が……。 「あの時、既に瀕死の重傷で目が見えなくなっていたのだろう、坊やのママは私を救助に来た人間だとでも思ったのか、坊やを助けてくれるよう懇願したのだ。 私は思わず坊やを抱き上げてしまった」

洩れたガソリンに引火し、呼び合う親子を炎が引き離します。 「炎に包まれていく坊やのママの美しい姿に目を奪われていたからだろうか……そして坊やのママは炎の中に消えていった」 子供を抱いたままジェニオが数歩下がったところで車は爆発。呆然と両親がいた辺りの炎見つめる幼いテツを下ろしジェニオは立ち去り、回想は終了。

「それが私が知っている全ての事だ」昔話を聞き終わったテツはふらふらと柱に背を預けます。 「思い出した」テツはいつしか状況を忘れ、封じ込めていた記憶の中に没入。 「ありがとう鉄幹。あなたが生まれてくれて、お母さん本当に幸せだった。 貴方の事を愛してるわ、これからも永遠に」亡き母の最期の言葉をハッキリ思い出し 「かあさん……」呟くサングラスの下から一筋の涙がこぼれ、床に落ちる直前に映ったジェニオの顔が、含み笑いでゆがみます

「しまったっ」テツが我か返った時には、独房の中は空っぽ。 「また地球で合おう、坊や」どっから響いてるのかわかんない笑い声を残して、ジェニオは神崎士郎のように姿を消し、 テツは握り締めたつや消しサングラスを床に叩きつけ……なんだかディメンジョンホールみたいな背景に浮かぶ大ボス然としたジェニオの顔と、居並ぶテツと5人の仲間たちの図で今週は引き。
「こんなこともあろうかと」とか言いつつ、怪しいカードデッキやライドシューターを、スワンさんが出してきそうでドッキドキ。

超凶悪な特殊能力を持つアリエナイザー・ジェニオが、テツを利用して宇宙牢獄から逃亡してしまった、 どうするデカブレイク、どうする特捜戦隊デカレンジャーbyナレーター

エンディングミニコーナー 今週はデカベースロボ・コクピットでのクイズ大会編
「では問題です、ボラペーノがコピーしたアリエナイザーは何人でしょう」問題を出すスワンさんの横には真っ赤な蝶ネクタイのマーフィーが、助手然と控えて出演シーン稼ぎしてます。 そして各操縦席には回答用のボタンが(こんなこともあろうかと?)設置されてる辺り芸コマです。 「んー」天然系ウメコは悩むだけ。「ドン・モヤイダでしょ、ってドン・モヤイダ出てねーっ」指折った手で頭抱えるバンも正解は無理そうです。

冷静に数えるセン。うなづくジャスミン。だけど知性派2人より早く、ボタン押して犬マークの回答権表示を立てたのはホージー 「ケバキーア、ベイルドン、カーサス、ダゴネール、シェイク、ブリッツで6人」 ボタン押すのも早ければ、回答も凄い早口です。「ピンポン」にっこりスワンさんと同時に「ずるーい」と指差すウメコは意味不明。 「アリエナイザー祭ね」結局、ジャスミンのコメントが本編含めての締めとなりました。

次回予告 エピソード.29ミラーリベンジャー
「無人のマシンブルが発見された。ホージーとジャスミンも行方不明だ」ボスの言葉とその後のカットを見ると、 テツとバン2人で、もめたり助け合ったりしながら鏡の世界に囚われた仲間救出に頑張るお話のようです。 暴れ馬みたいなデカバイクロボに手を焼くデカレッドと、最後のウルトラタロウポーズのデカブレイクが勝利のカギかな。


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