爆竜戦隊アバレンジャー第37話『快感アバレクイーン』テラ?



もくじに戻る
第36話 第38話
アフォーの研究室(トップ)に戻る
11月9日
衆議院選挙の日。正義の原点を確かめるため、書いてみようか特撮日記〜
政治家のお仕事の本質は正義=「皆が笑顔になれる方法」を考える事のハズだしね。

爆竜戦隊アバレンジャー 第37話『快感アバレクイーン
ダイノアース(恐竜が滅びなかった並行宇宙の地球)にあるエヴォリアン本部。その玉座からダーツを投げる仲代壬琴(アバレキラー・エヴォリアン首領…暫定?)から始まりました。 的に貼り付けた写真は、アバレブルー(三条幸人)とアバレイエロー(樹らんる)からダイノガッツ貰ってアバレマックスにパワーアップのアバレッド(伯亜凌駕)のベストショット……いつこんな写真を撮ったんでしょう、エヴォリアンの情報収集力侮りがたし。

その横で眠りっぱなしの黎明の使徒リジェが突然光に包まれて浮かび上がりました。創造の使徒ミケラと無限の使徒ヴォッファは大慌て。 リジェからもう一人のリジェ・謎の少女(鈴木かすみ)が飛びだし物陰に隠れて見守る前で、あっという間に20歳くらいに成長しちゃいました。 「これがアタシ? うそっ、やったじゃん……願いが叶ったv か・い・か・ん」
プレスリーっぽい袖のカーテンはともかく、半透明のショルダーガードと締め付けないウェスト周り、 そしてスリット美香子の8倍のスリットが入ったスカートは華やかながら思いっきり戦闘仕様です。 ただ、壬琴の言う様にナイスバディかどうかはゴテゴテしすぎてて良くわかりません。

「よくお聞き。今からアタシは黎明の使徒リジュエル(小川摩起)よ」容姿はもちろん声どころか名前まで変わったリジュエルを、謎の少女は切なそうに見つめ「もう、戻れない…」と背を向け消えてしまいました。

一方、アナザーアース(こっちの地球)の私鉄沿線に居を構える和風喫茶『恐竜や』(アバレンジャー基地兼ねる)では、みんな揃っての朝食が終わったところでした。 カルパッチョの美味しさに感動するマホロ(記憶喪失のウェイトレス・元破壊の使徒ジャンヌ)にニコやかに応じる介さん(杉下竜之介・喫茶店マスター)の横で、いつもは元気な笑みぽん(今中笑里・アバレピンク候補の女子高生)はショボーン。

カルパッチョは生死も行方も不明なアスカさん(アバレブラックでマホロの夫)の好物でしんみりしちゃったようです。いきなりその頬がらんるによってムニッと引っ張られました。 「明るくアスカさんの帰りを待とうって、みんなで決めたでしょ」

そんな二人のやり取りが意外なとばっちりを生みました。養女の舞ちゃんが昨日のお弁当のシイタケを食べ残したことを思い出した凌駕パパが「好き嫌いはしない約束」をタテに説教開始。 「ひろくんのママもチカちゃんのママも、嫌いなもの入れないよ、あっかんべー」と負けずに舞ちゃんも反撃です。親子ゲンカを止めたのは不意のエマージェンシーコールでした。

次元の扉反応だと新聞読んでいた幸人がインテリアに偽装した恐竜の牙型レバーを押し、喫茶『恐竜や』はたちまちアバレンジャーの基地に早変わり。 いつ見ても厨房の命である水周りとコンロのガス管の処理が不思議です。特に下水はどうなっているのやら。
「ギガノイドクラス、西38街区、住宅街が近いです」シースルーのスクリーンを見上げ素早くキーボードを操作したのは、天然系と思われていたマホロです。 見よう見まねって……レジスタンスの女戦士として銃一丁でエヴォリアン宮殿に潜入したのはダテや配属ミスじゃなかったんですね。
舞ちゃんに言いたい事はまだまだあった凌駕ですが、幸人に促されて出撃です。その直後、ほっぺたふくらまして拗ねる舞ちゃんを、謎の白い光が包み込みました。

「この辺のはずだけど」凌駕たちが駆けつけた現場では、森の中にそびえ立つ教会から青空に鐘が鳴り響くだけ。ギガノイドの姿は見当たりません。 白仮面に黒いスーツ姿の男が手回しオルガンを押しながら一人現れますが特に敵意は感じられず「大道芸の人かな」と首をかしげていると、 ダイノブレス(変身アイテムで通信機)に緊急連絡が入りました。何と舞ちゃんが41度の高熱をだして倒れたというのです。 幸人とらんるに促され、大急ぎで凌駕は『恐竜や』へ駆け戻ります。

笑みぽんとマホロの手でパジャマに着替えさせられ、座敷席に敷かれたフトンに横たえられた舞ちゃんの熱は、すぐに下がりましたが意識はちょっと混濁気味です。 枕元で心配そうに見つめる凌駕の耳に「ごめんなさい」と聞きなれない少女の声が……しかし見回しても声の主は見当たりません。 「気のせいか」

さて、徘徊する仮面男の手回しオルガンから響くマーラーの交響曲第6番のメロディに包まれた教会近くの住宅地の一角では、いつもの風景(多分)が繰り返されていました。 「裕ちゃん、昨日も体操着出してって言ったでしょ! ディンゴ(シェパード)が吼えてるわよ、お散歩は? ……朝からゲームばっかしっ」 コロコロに太ったお母さん・宮古美弥子(安屋満樹子)が謎のゲーム機で遊ぶ息子・裕次郎(立原勇武)に小言いいなから、ベランダで洗濯機を回してます。 (特定メーカーから突っ込まれないようにワザワザ作った……じゃなくて、すみませんSNKさん、ネオジオCDだったんですね。仮にもゲームサイトなのに大恥)

吼えていた犬は怪しい仮面男にビビっていつしか引っ込み、美弥子は洗濯機のモーター音を聞きながらジっと手を見つめつつ溜息です。「ふぅ。ガッサガサ」
「子育てから解放されたくないですか」不意にかけられた声に「されたい……」と応えた美弥子に、仮面の男は白いワッペンみたいなものを投げ渡しました。 白くてハート型でフワフワ羽飾りつき、いかにもリジュエルっぽいアイテムです。

住宅街を調べていた幸人とらんるは、追いすがる子供を「くっつかないでよ、うっとおしい!」と振り払う美弥子の姿に普通じゃないものを感じます。 「子育てはもういや、勝手にやんなさい」ゲームやり放題であんたもその方がいいでしょ、出て行く代わりにこれ上げると例のリジュエルっぽいアイテムを裕次郎に押し付け「いかないで」とすがる息子をつき転ばして歩き去る美弥子。 半ベソの裕次郎に「お母さんは任せて」とらんるが請け合い、追跡開始です。

美弥子はいつしか霧が立ち込める森の中へ……「どこへ行くんだ」尾行する幸人がつぶやいた時、森の中から手回しオルガンの音が響いてきました。 そして現れる仮面の男。さらにホルン・トランペット・フルートにクラリネット・サキソフォン、バイオリン×2……たった8人編成で重厚なオーケストラを奏でる仮面の男たち、コストパフォーマンス抜群の楽団です。 

霧と音楽と仮面の男に囲まれた幸人とらんるは、男に掴みかかりますが、なんと上着を残して消失!? と思ったら幸人の足を掴んで転ばせ、ナイフ構えて木の上から降って来て、本格的な殺陣になりました。 しかし仮面の男は神出鬼没。消えたと思ったらガイコツから灰色の海草状の突起がいっぱい生えたみたいなトリノイド(?)になって、額の第三の目からビーム攻撃してきたりと、実体がつかめません。 爆竜チェンジしアバレイザーで反撃したものの手応えは無く、気配ごと消えてしまいました。 どうも本体じゃないみたいです。 いつしか美弥子の姿は無く、晴れて行く霧の向こうには例の教会が建っていました。

「残された家族、特に、子供たちの悲しみは、計り知れませんね」介さんが『謎の連続失踪事件』の報道番組を見ながら重々しく呟く『恐竜や』では、 事件が起きている中心に鎮座する教会が、地図上では存在しないことをマホロが突き止めていました。 再出撃のために凌駕が枕元を離れたとき、容態が安定した舞ちゃんから白い光が立ち上がり、あの少女の姿になりました。 「ごめんなさい、こうしないとあたし消えてなくなっちゃうの。これ以上迷惑かけないから」 少女のキスで意識を取り戻した舞ちゃんがたずねます「お姉ちゃん誰?」 出来ればこの問いに答えて欲しいものです。もう一人のリジェとか謎の少女って書くのも面倒くさいので。某所で知っちゃあいるけどね。

さて、本物のリジェことリジュエルはギガノイド『悲劇的』の製作者ヴォッファに、なぜ大暴れさせないのかと文句言われてました。 「目的はガキどもの涙よ、とことん悲しがらせてその涙の結晶で宝石を作るの」玉座の壬琴に侍りながらファンタジックな事を言い出すリジュエルは 「何かよくわかんないけど、仲の良い親子ってムカつくんだもん」徹底的に痛めつけてやると息巻いてます。「それがお前のトキメキか」と壬琴も計画承認です。何となく某クェス・パラヤとか思い出しそうで嫌んな感じです。

凌駕の合流を待って、“あるはずの無い教会”の敷地へ駆け込んだ三人を迎えたのは突然の銃撃と少し鼻にかかった甲高い笑い声です。 「エヴォリアンの新しい使徒?」身構える三人を塔から見下し「バーカ。黎明の使徒って言ったら思い出す?」なんて言いつつ 瞬間移動。リジェのテーマのエレキバージョンをBGMに「今日からはエヴォリアンの王妃リジュエルよ。アタシに快感、ちょうだいよね」 と自己紹介の後、リジュエルボンバーキッスなる爆発するカードを無数に飛ばしてきました。

爆竜チェンジして防御するアバレンジャーですが、幻のように半透明となってクルクル攻撃してくるリジュエルに苦戦です。 さらに、あの子は1歳のはず、中身はまだ子供なんて言っちゃって、ナイスバディになった事が嬉しかったリジュエルの逆鱗に触れてしまいます。 「うぜーんだよっ! リジュエル・クロスイリュージョン」なんて巨大ハイヒールの踏みつけ攻撃を受けた三人は、変身が解けた状態で地面に叩きつけられちゃいました。

「はん、ついてきな、面白いもん見せてやる」湯婆々みたいに指鳴らすだけで、倒れた凌駕たちを念動力だか魔法だかで教会に引きずり込み、 石造りの柱に黒いゴムっぽいベルトで拘束しちゃうリジュエルの勇姿に「ふっ、キレるとやるなぁ」なんて、腕組みして高見の見物決め込んでた壬琴もベタ褒めです。

教会右手の柱に拘束された凌駕たちの目の前には、子育てに疲れた親たちが大勢椅子に座って、ボーっと祭壇を見つめたままリジュエルの言葉を聞いていました。 「迷えるお父様お母様、ようこそ、あなた方をお救いします。子供たちはあなた達の言うことを聞きますか?」 「『聞きません』」「子育てから逃げたいと思った事はありませんか?」「『あります』」 子供さえいなければあなた方は若いときのように輝いて楽しい日々を送っているはず「誓いなさい ギガノイドの親になると。そうすれば天国のような日々が訪れます」 洗脳モードのリジュエルの言葉に「裕次郎は親の言う事を聞かない、ギガノイドの親になります」と祭壇に据えられた黄金のギガノイド像に向かって誓う美弥子。

その様子は例のリジュエルっぽいアイテムを通じて子供たちにライブ中継されていました。 親に捨てられたと泣く子供たちの涙はアイテムを介してリジュエルの掌に集まってゆきます。 「これでとびっきりの宝石が出来る。超快感v」透明な輝きをうっとりと見つめるリジュエルは、 耳障りな凌駕のうめき声に気づき「何言っちゃってるの?」と口を押さえているベルトだけを切りました。

「そんな事、もうやめろ」凌駕の怒りを、親の本音を利用させてもらっただけ、親子も所詮は他人なのよと嘲笑うリジュエル。 しかし凌駕は言葉を続けます。「そんな事あるもんか!」子育ては大変だし子供は憎たらしいことも言う「でも、子供を思う親の気持ちは、そんなカンタンに壊れるモノじゃないんだ」

「ムカつくんだよ!」リジュエルが飛ばしたカードで凌駕の手足とジャケットに無数の傷が……だけど、同時にベルトも切っちゃってる理性の吹っ飛び具合は、親の愛に飢えるリジュエルの痛いところを凌駕が突いたって事でしょうか。ミケラやヴォッファは種族を超えて愛しんでくれてると思うけどなぁ。

一度は倒れ伏した凌駕ですが、椅子にすがって立ち上がり苦しい息の下で親たちに語りかけます 「皆さん、戦いましょう、そして早くお家に帰りましょう、待っているはずです、子供たちの笑顔が」 子供たちが成長してきた過程と笑顔をフラッシュバックさせ(映像的には『写真』)騒ぎ始めた人々が親の顔を取り戻す様も、アイテムを通じて中継していたらしく、 リジュエルの掌の涙は光の粒となって弾けてしまいました。

リジュエルが砕けた涙の結晶に気を取られている隙に凌駕は爆竜チェンジ。「みんな伏せて」と一声かけてアバレイザーで黄金のギガノイド像を壊してしまいました。 「皆、早く逃げて、早く帰って子供たちを抱き締めてあげてください」鳴動し始める教会から親達を逃がし、らんると幸人を助けた……感じで、アバレンジャーに変身して大ジャンプで脱出です。

「バッカじゃない! 抹殺よ。『悲劇的』本当の力を見せてあげなさい」
怒りのリジュエルの言葉と同時に教会は不気味カッコイイとげとげホーンテッドハウスの正体を現し、二本足で立ち上がりました。 ギガノイド第10番『悲劇的』……原曲マーラーと言うより、今回は手回しオルガンへの編曲のみであとは原曲のまま戦闘BGMに使用。なんだか銀河英雄伝説風味です。
さらに「気にいったぜ」と仲代壬琴がアバレキラーに爆竜チェンジしながら登場。「壬琴v」なリジュエルを抱きよせ「二人で楽しもうぜ」とキラーオーに爆竜合体です。 

そしてレッドが皆(爆竜たち)に助けを求め「男の意地はダテじゃない。守りぬくブラ、君の笑顔を」とブラキオが出動。アバレンオーとマックスオージャVSキラーオーと『悲劇的』の巨人のタッグマッチ開始です。
アバレンオー……レッドがいなくてもブルーとイエローのダイノガッツだけでそこそこ戦えると思いきや、 悲劇スモーク(紫の煙)食らって体色が灰色になっちゃって「力が出ないケラ」って何事ですか。やばいよ、戦力の分散にしかなってないよ、アスターテ会戦だよ(悲劇的は要塞vs要塞のBGMだけどね)。 
「トドメだ」キラーオーの“目からビーム”を受けて、アバレンオーとマックスオージャは倒れてしまいました。

その時「あっしたちも戦うバキ」スティライザー(盾)に四つの輝きが宿り、二軍……失礼、待機中のバキケロナグルス・ディメノコドン・パラサロッキル・アンキロベイルスの声が響いてきました。
「ウォリャア〜、驚くことはあらへんデメ」「戦う気持ちを一つにすれば、奇跡は起せるバキ」「セニョール究極の合体を見せるパラサ」「びっくりしてチビらんように覚悟してろキロ」 ここからはBGMもOPのオーケストラ編曲バージョンに変わって壮大にイケイケです。 「爆竜超合体っ、完成マックスリュウオー!」4体の爆竜が加わってさらにゴッツい巨人が誕生しました。

マックスリュウオーは『悲劇的』とキラーオーを軽くあしらい『爆竜必殺竜王バスター』(右からエネルギー弾連射、左から金色の過流放射)をブチかまします。 とっさにキラーオーは悲劇的を盾にして直撃を回避し撤退しましたが、ギガノイドは大爆発。そしてアバレンオーの役割は……ブルーとイエローの見物席でした。

「危なかった……フンっ、次でもっとときめこうぜ、リジュエル」「これはこれで快感v」地上に脱出した白いバカップルは懲りてないみたいなので、次も何かしでかしてくれそうな予感です。

裕次郎が母・美弥子の笑顔に見送られ、犬の散歩に出かける夕刻……恐竜やではカキなべ囲んでの楽しい夕食が始まっていました。 だんらんの様子を寂しそうに眺める少女の姿が見えるのは舞ちゃんだけみたい。少女に気を取られていてハッと気づけば舞ちゃんの目の前にシイタケ!?
「何食べたい? カキ? 豆腐?」とか尋ねていたくせに、凌駕パパのウソツキ。仕方なくシイタケを口にする舞ちゃん「ポンズだと美味しい!」 30分以内に好き嫌いが克服できる世界は、2時間以内に犯人がわかるサスペンスに、どこか通じるものがあるかも知れません。
そんな様子を見ていた少女がハッと顔を上げます「今のは……気のせい?」

今週の引きは闇に射す赤い光を背景に爆竜ティラノサウルスが担当でした。
「この謎の少女はいったい何を感じたテラ? この後見逃すなテラ」

和気あいあいとした恐竜やの賑わいの片すみで謎の少女が感じたのは……
欠けはじめた月の下で、冷たい川に身をさらし、雄叫びと共に水面を切りつけ叫ぶ伝説の鎧の剣士の苦痛と孤独……さんま御殿にも出演したことですし、そろそろアスカ復活だといいなぁ。

次回予告 第38話『花咲けるアバレピンク
幸人をして「すごい両親だな」と言わしめる今里夫婦に連れられて、笑みぽんは外国へ引越しなんでしょうか〜  ああ、マホロの見よう見まねオペレーターはこの伏線だったのね。 じゃなくて「その気で躍進、アバレピンク!」手作りコスプレヒロイン笑みぽん出陣! そして凌駕と幸人のどこかで見たような構図のダブルキック?!

……て、スーパーヒーロータイムのエンドでコラボネタするならともかく、何で本編でやっちゃうんだろ〜。こうなったら、バラ隠れで空振りまで再現しちゃって下さいまし。
ともかく、次週のアバレじゃんけん、期待してます。仲代壬琴・リジュエル・ヤツデンワニがいいなぁ。

さて冬に向けて、「魚がアバレンジャー」なんて介さんがギャグを飛ばす手袋だの、ジャケットに続いて壬琴な白いコートのCMまで始まった今日この頃。 マックスリューオ〜なんて叫びにクリスマスの足音を感じます。今回の本編はムチでCMが飴と思える説教臭ささも戦隊モノの妙味の一つですねぇ。


もくじに戻る

第36話 第38話
アフォーの研究室(トップ)に戻る