DQ ダイの大冒険 37巻

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 原作:三条陸 漫画:稲田浩司 監修:堀井雄二
ダイジェスト 最終巻 『さらば!!! 愛する地上よの巻』

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ダイの大冒険もくじへ 第36巻


★たぎる竜(ドラゴン)の血!!!の巻
大魔王バーンに対峙する勇者ダイ、大魔導士ポップ、そしてパプニカのレオナ姫(賢者)。 そこは上空に浮かぶバーンパレス、外周部の決戦の場。度重なる戦闘でガレキ散らばる中ダイが叫ぶ。
「……この…双竜紋の力を全開にする…!!!」
今までは全開ではなかったのか、と、左腕を失い三つある心臓の一つをダイの剣に貫かれながらも余裕であざ笑う大魔王バーンに対し、 ダイの答えは“おれがおれでいられる中”での全開だと答えた。
無意識のうちに本来の3〜4割に力にセーブしていた竜(ドラゴン)の騎士のパワーを解放すれば竜魔人化して爆発的に強くなる、 引き換えに姿も人格も記憶も失うかもしれない……それでもみんなの明日を守りたい。
「たとえ、どんな姿だろうとダイはダイだ」
ポップは背後から親友を抱き絞め、レオナは嗚咽をこらえる。二人がダイから離れた瞬間、その足元にポッカリと穴が。
「やつらはすべて大魔宮(バーンパレス)の奥深くに落ちた!!!」
わざとダイの怒りを買い、そんな力があるなら見せてみろと笑うバーン。その表情が、ダイが放つ闘気に凍る。
割れるハチガネ、肥大した額の紋章、鋭い目、逆立つ髪。
「化物…め」
「その通りだバーン…お前以上のなっ…!!!」
ダイはバーンの放つカラミティエンドを右手でふせぎ、そのままバーンの左角を手刀で切り飛ばした。
★咆哮!!!の巻
苦痛に呻くバーンは、咆哮するダイにバランの魔獣性を見ていた。
「“力が正義”常にそう言っていたな…バーン!!」素手で一方的にバーンを殴り続けるダイ
「これが正義かっ!??…こんなものが正義であってたまるかっ」その目には涙がにじんでいた。
今のダイは完全無欠、その強さを認識しながらも誇りと闘志を込めてバーンは叫ぶ
「余は大魔王バーンなり!!!!」

両者の戦いの衝撃はバーンパレスの崩壊をさらに進ませ、振動は大魔宮の心臓部に閉じ込められた、 ポップ、レオナ、マァム、ヒュンケル、ヒム、クロコダイン、アバン、老師、チウ、ラーハルト(←振動で気絶から復活)にも届く。
角をダイに落とされた時、バーンの第三の目の魔力が切れ、“瞳”(宝玉にするバーンの呪がかかった状態)からは回復したものの、 あらゆる魔力を吸い込み生物としての弾性を持ち再生能力も高い心臓部の壁は、マホイミやメドローアすら通じず、 マァムの閃華裂光拳でもかすり傷で、脱出不能状態は相変わらず。 しかし、ダイが全てをかなぐり捨ててまで戦っているのだからとポップは叫ぶ。
「こんな所で おれたちが犬死するわけにゃあ いかねぇよッ!!!」


★大魔宮(バーンパレス)脱出せよの巻
今にもバーンパレスを浮かべている外周部から外れ、地上に落下しそうな大魔宮心臓部。そこからポップたちが抜け出すには、 ダイのドルオーラ並の闘気技を一瞬でも貫通させ、ルーラするより他に手は無い。 全員を回復させ、戦士系全員の闘気技をためすものの、心臓部の壁につくのはかすり傷、そしてすぐ再生。
残る技は『グランドクスル』、半死人(byポップ)ヒュンケルの技だ。 全身の骨がヒビだらけのヒュンケルではなく本家本元アバンが頼りだが、自爆技でもある『グランドクスル』を 「最大級で放出しつつ生き残る」事ができるのはヒュンケルだけ。命と引き換えに全員を助ける役を 「おれがっ…!!」「いや!! 私がっ…!!」と、師弟が奪い合っている間に、ついに心臓部落下を開始。
その時ヒムが進み出て、見よう見まねで腕をクロスさせた。皆をかつての戦友に重ね、オリハルコンの腕にヒビが入りつつも、叫ぶ 「もう…誰一人悲しい顔にゃあさせたくねぇんだよッ!!!」
グランドクスルの光の中で崩壊するヒムの体
「オレもまた不死身だぁーっ!!!!!」
大魔宮心臓部を切り裂く十字の閃光。アバンとポップがルーラを唱えた。 地上に脱出したアバン達が重い地響きに振り返れば地上に叩きつけられ劫火に包まれる大魔宮(バーンパレス)中心部。
隊長チウは炎に向かい、獣王遊撃隊12番永久欠番宣言をする。
その足元のがけの下では「…良かったなァ オイ!永久欠番だってさ…!」「ちっくしょ〜ひでえなあ隊長さん…」 ちゃんと生きてるよぉ…!!
両腕を失いながらもポップに救われたヒムには、お約束の鼻水が……
★死闘・天空への巻
脱出した皆の元へかけつける地上部隊。アバンが生きていた事にショックを受けてフローラ女王が気絶する等、騒がしい中、 ロン・ベルクがダイの行方を問う。上空のバーンパレス外周部を見上げ、また…最後はあいつに頼っちまった…と悔し泣きをするポップ。 その肩に兄弟子の手が置かれた。誰もが持てる力以上の奇跡を起こしたから全員が生き残り、ダイはあそこで戦っていられる 「…もっと…誇るべきだ!」
その、ヒュンケルの言葉と、我々みんなの肩を蹴って天へと駆け上がっていった、待つしかない、という老師とレオナに見習い、 ポップも涙をぬぐい、祈るように念じる。勝ってくれ、そして戻ってくるんだ…ダイ。

バーンパレスが心臓部と周辺部に分離する程の衝撃の源はダイとバーン。当然二人も無事では済まず、 へたり込んでいたダイが何とか立ち上がったときにはバーンパレスの外周部は成層圏に達していた。
「せめて両腕があればッ……いや…勝てぬ だろうな…たとえ完全な状態であったとしても…」
物陰に身を潜めたバーンは勝利のために全てを捨てた魔獣ダイに勝つため、己も全てを捨てる決意をする。 バーンの手が己の額にある第三の目をえぐった時、魔界で岩と化している冥竜王ヴェルザーが呟いた 「バーンめ…まさか…“鬼眼”の力を解放するつもりなのか……!!?」
ダイがバーンの元へたどりついた時、大魔王の身は岩の柱に包まれていた
「…悟ったぞ お前に勝つには余も魔獣と化さねばならん とな」勝利その二文字のためなら……
岩柱が砕け、その中から現れたのは、バーンを額に頂く異形の巨人だった。


★この腕で勝利をの巻
三本爪の巨大な手に払われ、ドラゴンに似た巨大な足に踏みつけられるダイ。それがお前の正体か、との問に、無礼と言い放つバーン。 この姿は魔力の源である第三の眼“鬼眼”の力を肉体に上乗せした魔獣形態“鬼眼王”。
その言葉を聞いたダイの脳裏に歩く城“鬼眼城”が蘇る。それはバーンが己の最強形態を予想して作らせた玩具。 小さなドラムーンですら強力な進化をした“鬼眼”の力。魔力の源であるバーンは一度進化すればもう本来の肉体には戻れない。 勝利のためだけに本来の肉体を捨てたバーンに「おれと…同じ事を…」と青ざめるダイ。
そして壮絶な戦いが始まる。

砕け散れと繰り出されるバーンの拳。竜闘気(ドラゴニックオーラ)全開で防ぎ、ドルオーラを放つダイ。 直後、爆炎から繰り出されるバーンの巨大な裏拳と膝蹴りとこぶし。 成すがままにたたき伏せられ血を吐くダイは愛剣を求めるが、それはバーンの胸に深々と突き刺さっていて手元に無い。 そして、ついにバーンの爪がダイの腹を貫く。
「勝ったぞッ…!!! 余は勝ったッ!!!」
勝利を確実なものとするため、床に伏して動かぬダイの身体を粉々にしようと迫るバーン。
その時、光を放って『真魔剛竜剣』がダイを守るように、バーンの前に突き刺さった。弧を描く地平から太陽が昇り、 あたたかな朝日に包まれてダイは目を開く。


★さらば!我が友の巻
「か、母さん」光の中に佇む母の姿に励まされ、立ち上がったダイ。母のいた場所には朝日に輝く『真魔剛竜剣』が突き立っていた。 ダイの背後には父バランの姿が浮かび、竜の騎士の正統たる武器を手にする時が来たと告げる。 母は太陽のような女性だった、今度はお前が、仲間たちを地上を輝き照らす太陽になるのだ!
『真魔剛竜剣』といえども双竜紋を発現したダイと、バーンの力がぶつかり合いには耐えられない。
「この一撃におまえのすべて…! 私の魂をもこめて奴の鬼眼を叩き斬れッ!!!」
ダイの脳裏に仲間たちの笑顔が走馬灯のように浮かぶ。
「さよなら…みんなっ!!」
剣を取り竜闘気全開で突っ込むダイと、左こぶしに全力を込めたバーンが虚空で交錯した。 『真魔剛竜剣』がバーンのこぶしを粉砕し、腕を砕き、肩を割り、胸にある“鬼眼”へ迫ったその時、
“鬼眼”がまぶしい光を放った。
思わず目を閉じるダイ。同時に剣にもヒビが入る。刃が食い込む寸前、“鬼眼”を硬い殻が覆った。 空しく砕け散る『真魔剛竜剣』。薄れ行く父バランの魂。
そしてバーンの右こぶしがバランスを崩したダイを殴り飛ばす。
★さらば!!大魔王の巻
無重力、そして大気も無い宇宙空間で、無音の戦いは続く。
バーンが全力を込めた右こぶしをモロに食らったにも関わらず、ドルオーラを放とうとするダイ。それを掴み握りつぶそうとするバーン。 意識を失いかけたダイにポップの言葉が蘇る
「一瞬…!! だけど… 閃光のように…!!!」
最後の力を振り絞り、竜闘気でバーンの右手を吹き飛ばし、高速(トベルーラ)で宙を走るダイ。
驚愕しつつもダイが逃げたかと思い、トドメを刺そうと追うバーン。
振り返ったダイが今度はまぶしい光を放ち、まっすぐバーンに突っ込む。その狙いはバーン本体の胸に刺さった“ダイの剣”。 バーンが気づくいた時には、その柄にダイの手がかかっていた。
互いが高速ですれ違う、その勢いのまま、バーン本体を斬り下げ、 胸の“鬼眼”ごと“鬼眼王”としての巨大な肉体おも、真っ直ぐ断ち割るダイの剣。
真二つとなった大魔王を見上げれば、魔獣の宿命として白化し、砕ける“鬼眼王”。
バーンの上半身だったものは太陽へ落ちてゆき、崩壊した“鬼眼王”の肉体は無数の流星となって地上に届く事も無く燃え尽きた。
★さらば!!!愛する地上よの巻
不意に、朝日輝く空を見上げるレオナ姫
「…今 何か見えたような気が…」
見えたのは落ちてくる小さな人影。チウが遠眼鏡でダイと確認するもピクリとも動かず人形のように落下してくるダイ。
「気絶しているのか…それとも…!!」全員が受けとめようと走る中、この役だけは誰にも渡せねぇっ!!! と飛び出すポップ。
主の手を離れたダイの剣が突き刺さったその横に、ポップがクッションになる形でダイは帰還した。
「勝ったんだな…?」ポップの問いにダイは静かに微笑む 「大魔王バーンは…倒れた…!」
肉体の変容を気にするダイにポップは昔のままだと告げ、 「おれたちのダイが勝ったんだぁーっ!!!」そのまま胴上げともモミクチャともいえる凱旋騒ぎとなった。
勇者の恋人の先輩格フローラ女王からレオナ姫は、嫌がられても捕まえとかないと勇者はすぐどこかへ消えてしまう…という忠告を受ける。 心配するレオナにダイは答える「おれは地上(ここ)が一番好きだよ」
祝宴は傷を癒してからというフローラの言葉に、不吉な死神キルバーンの声が重なった。
「祝福の言葉を言わせて下さいよ…!」おのれの首を残った右腕に抱え佇む死神に、アバンが不死身なのかと問えば、 「“首がちぎれて生きていられる生物はいない”…か…キミのセリフだったねぇ」キルバーンは首をあっさりと戻す「生物だったら…ね」
キルバーンの正体は機械仕掛けの人形。人形を操り、腹話術師の要領で機械人形を生物に見せかけていたのは一つ目ピエロのピロロだった。 そして機械人形キルバーンを倒す唯一の方法は首を斬ることではなく顔面を叩き割る事だとピロロは答える。
「だが、やらなくて良かったよ」スイッチが押されカラリと落ちるキルバーンの仮面。その下には強力な破壊力を秘めた黒の核晶(コア)が。
キルバーンの真の主、冥竜王ヴェルザーの本来の命令はバーンを黒の核晶(コア)で暗殺し地上を手に入れることだったが、 今度はバーン倒す力を持つ勇者達と地上の人間が邪魔となったため、黒の核晶(コア)で消し去る事に……
それまで残り10秒。
ヒャド系呪文も機械人形のエネルギー源、魔界のマグマ成液にはばまれて効かない中、飛び出した者達がいた。
アバンの羽がピロロ(キルバーンの本体)を封じ、マァムの閃華裂光拳がその身を砕く。 同時に操縦者を失った機械人形キルバーンをダイとポップが抱き、トベルーラで上空へ
「もう手放してる時間はねぇ!!!」不敵に笑いお前となら悪かねぇと言うポップの耳にダイの声が「ごめん…ポップ…!!」 ポップはダイに地上へと蹴り落とされた。
許してくれポップ こうして自分の大好きなものをかばって生命をかける事が…ずっと受け継がれてきた…おれの使命なんだよ!!!!
両親の面影と共に閃光の中へ消えるダイ
「バッカヤローオォォオーツ!!!!!!」
閃光を見上げる、レオナとポップ そして仲間たちの目に涙が溢れた。

仲間たちと全世界の人々が数週間にわたり、ダイを探せど行方は知れなかった。
ダイの剣を突き刺した台座の前に一同は集合した。
「まるで墓だぜ」と腐るポップに、レオナ姫は剣を刺した台座はダイが戻ってくる為の目印だと茶目っ気たっぷりに笑う。 この剣はダイの為に作られた生きた剣。宝玉が光を失わず、剣が死なないうちは主のダイも生きている、とロン・ベルク。 それが天界か魔界かは分からないが生きていればいつかは会える。
「だって あいつの 帰ってくる所はよ…! 地上(ここ)しかねぇんだからさ!!!」
叫ぶポップの傍らで、レオナ姫はダイの剣を穏やかに見つめていた。

スタッフロール
「そうだ あいつが 戻る その日まで」
メルル、マァムと冒険中、地図音痴ぶりを発揮して、どやされるポップ
「おれたちが世界を守っていこう」
フローラ女王の横で王座につき、似合わないトランプ風のヒゲを生やしたアバン
「いつの日か あいつを見つけても」
共に旅するヒュンケルとラーハルト
「あいつが 自分で帰ってきても」
そのヒュンケルをストーカーするパプニカ三賢者のエイミ
「美しい大地や町並みや」
復興に携わるデルムリン島を復旧させるヒム、チウ、ブラスじいちゃん、クロコダイン
「平和な人々の暮らしを見て」
マトリフに盗品を供出させられる、勇者でろりん 戦士へろへろ 魔法使いまぞっほ 僧侶ずるぼん
「これが おれが守った 地上なんだ と」
ロン・ベルクの元で刀鍛冶の修行に励む、元北の勇者ノヴァ
「誇らしく胸をはれるようにしよう……!」
本を手に優しい表情で青空の下に立つレオナ姫
「ふたたび勇者が 帰ってくる
  その日のために・・・!!」
きらめく真の勇者ダイの剣、台座を取り巻き咲く花々。そして青空に浮かぶダイの笑顔。

THE ADVENTURE OF DAI
DRAGON QUEST
Fin

FOREVER DAI…!
FOREVER
DRAGON QUEST!!
1996.11.26

『ダイの大冒険』完結を迎えて…。監修 堀井雄二


通りすがり様、掲示板でのご指摘、ありがとうございました。確かにデルムリン島ですね、ヤシの樹ありますし

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