一言半日記 2004 1/4
『クロノシリーズ』と放送中の特撮番組の共通項
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仮説ライダー……いや、今回はアバレも含む妄想その2

最初は設定的に『クロノ・クロス』と『クロノ・トリガー』って爆竜戦隊アバレンジャーの元ネタ?
と思ってましたが(逆に『すごい科学で守ります!』に『クロノ』を組み込めそう……とも言える)、実は仮面ライダーファイズにも共通点がワラワラと。
単に物語としての押さえるべきポイントが共通しているだけかと思いますが、その辺から錯綜してしまった難解な物語(主にクロスとファイズ)と放置された謎を解く糸口を見つける実験を試みます。

『クロノ・トリガー』
滅びの歴史を変えようとタイムスリップとタイムマシンを使って時を駆ける、三人の少年少女の冒険譚
『クロノ・クロス』
変えられた歴史が生んだタイムパラドクスとパラレルワールドから呼ばれた文明が融合する南海の島々で、 平行世界ホームワールドとアナザーワールドを行き来して生きる意味を問う、セルジュと仲間たちの物語
『アバレンジャー』
平行世界の武器と爆竜をもたらした戦士とともに侵略者と戦う、三人の若者たちの戦記
『仮面ライダーファイズ』
異能をもって蘇る死者とハイテクノロジー企業が手を組む世界で、身寄りのない若者たちが3本の変身ベルトに絡む宿命に振り回されながら、居場所を守ろうとする物語

<クロノ世界・概要>
6500万年前、赤い星=ラ・ヴォス(大きな火)が大地に降って来て、恐竜と恐竜人の世界が滅び、サルどもと呼ばれていた人間たちは魔法の力を得て、高度な文明を築き上げる。 しかし、魔力の源は地中深く埋まったラ・ヴォス=異星生命体が星そのものの生命を喰らって生み出していたもの……その力は暴走し、一万年前の超古代文明を滅ぼし、 魔法抜きで新たな歴史を歩みだした文明をも、1999年の破滅の日に滅ぼしてしまう。星を食い尽くしたラ・ヴォスは地球生命の進化データを取り入れた自分の子を、死の山から宇宙の旅へと送り出す。

その歴史を変えたのは、無口の熱血漢で隠れた突っ込み系クロノ、父王にわだかまりを持つとんでもお姫様マール、カエル嫌いの発明家ルッカ……そして、2300年製造のR-66Yことロボ(プロメテス)に原始時代のセクシー姐ちゃんエイラと、 魔王打倒を誓うカエルの騎士と、目的のためなら世界が滅びても構わない魔王。戦うべき敵は究極進化を求めるラ・ヴォスと、その力に魅入られた魔王の母ちゃん。

明朗活発、協力して敵に立ち向かい、敵方には子を愛せぬ母と何気にアバレンジャー。キャラの性質や性格もなーんとなく、ハマってます。(エイラ+ロボがレッドで、クロノ+マールがブルー。イエロー=ルッカ カエル=ブラック 魔王=キラー)

そして、歴史が変えられたせいで時空の果てに生まれたラヴォスとサラ(魔王の姉ちゃん)の融合体『時喰い』が全ての時を止める……という破滅を防ぐため(かな?)、 自然とラ・ヴォスの子である人間の調停者『セルジュ』が平行宇宙を又に駆ける自分探しの物語が続編『クロノ・クロス』
戦う敵は、未来の狂ったコンピューター・フェイトシステム……に支配された実の父親と、ディノ・ポリスの生体兵器、神にも近い8龍=金属組織を持たない爆竜……途中まで力を貸してくれる協力者でもあるし、合体もする(笑)。 主人公たちが駆使する力・エレメントはフェイトがクロノ・ポリスのハイテク文明より作り出したもの。

三人の協力バトルとはいえ、40人以上のパーティキャラが、ヒロインをも埋没させてしまい、結果的に単独主人公型に近い物語構成。 主人公の特異性が平行宇宙の片方で“10年前に死んだ少年の幽霊”であること、そして中盤で異形のヤマネコ(亜人)と精神が入れ替わり(というか心を書き換えられ)、そこからが物語の本番ってあたりが何気にファイズ。

しかも、すべてを計画した“時の預言者”とは、時のタマゴ=クロノトリガー(時間停滞装置)を作り出したガッシュという科学者。 好々爺の顔をしていながら、世界を救うためとはいえ、主人公とヒロインをはじめ大勢の運命を悲劇へと導いてしまう計画を進めた、冷静に考えると善人とは言いがたい存在。花形前社長と共通するキャラといえます。

強引にセルジュを巻き込むヒロイン・キッドは孤児院出身。孤児院を経営している発明家ルッカが、結果的にガッシュの協力者であるあたりも妙な共通項。

その孤児院が襲われた時、偶然ではなく(苦笑)セルジュがキッド達を助けていたり、物語中でキッドの命を救える解毒剤を求めてヒドラを殺す決意をすることで、沼そのものを殺す罪を背負い、ラズリーの故郷で痛い報いを受けるのも、 ファイズ35話の真理死亡あたりの流れと共通している……かも。これらはファム・ファタル(運命をもたらす女性)に関わる通過儀礼でしょうか。

復讐に燃えるあまりにダークセルジュに操られ、時にプレイヤーキャラであるヤマネコの命をも狙うキッドは、一部にアルフとして転生したジャキの魂を巻き込んだ草加の役どころも兼ね備えるのかも知れません。

啓太郎の役どころは……幼馴染の女の子レナやポシェル、ラッキー・ダンでもOK へたれ勇者ピエールに関しては啓太郎のほうがのまだマシかな。

トリガーでは大活躍したロボ=プロメテスが、クロスではフェイトを邪魔する自律プログラム・プロメテウスという影の薄い存在となったのも、オートバジン・バトルモード(ファイズの支援ロボ)の影の薄さに通じる悲しい共通項です。ロボットってこの手の物語と相性悪いんですかねぇ。

ツクヨミはもう説明不能のスマートレディや謎の少女といった導き手と同じく、次元のズレが生み出した半ばこの世のものではない存在ですねぇ。

トリガーにあった魔族と人間との確執は、クロスの亜人と人間の確執に引き継がれ、異種異文化の交流と戦いと和解もストーリーの柱の一つを成すあたりも、人とオルフェノクの関係を想起させます。

延々とラッキークローバーの欠員が埋まらないのも、アカシア龍騎士団四天王、カーシュ、ゾア、マルチェラは健在なのに、ダリオが行方不明で欠員となっている事に関わりがあるのではと、勘ぐってみたりして。 (単に澤田と巧はザコオルフェノクじゃないんだよって肩書きの為かとは思いますが)

混乱の渦中にある王は、凍てついた炎そのものか、凍てついた炎へのアクセス権を得た3歳のセルジュか、古代王国において魔神器(凍てついた炎の前身?)を扱う事が出来た王女サラと、その分身キッド……いずれにせよ大いなる力は、世界に終末をもたらす危険な側面を持ち、 正式な力の行使者は子供か若い娘……。もしかしたら、最初から弱き子供や女性が王なのは確定だったのかも知れません。

あ゛、仲代壬琴を忘れてた……少々苦しいですが、成人男子なのにグレた子を見守るようにレッドが更生を諦めないのは、本来は子供の役どころだから……かも。

なーんて、つらつら上げていった要素は、神話を始めとする古今東西の物語の中で繰り返される、人が無意識に惹かれるモチーフであろう事は予想がつきます。
プレイヤーや視聴者が引っ掛かりを感じるのは、モチーフが作り手の無意識からあらわれた物ではなく、意識的に計算して盛り込んだものの整理しきれず、一番大切な肉付けという作業で多くの矛盾を抱え込んでしまった点。

クロノ・クロスもファイズも、前作人気から来る過剰な期待と言う重圧の中、容量や尺やスポンサーの御意思という限界にぶつかりながら、新機軸の物語を作るのに苦しみまくった結果、生み出された『物語のキメラ』なのかもしれません。トリガーの背後にはドラクエシリーズの影があり、平成ライダーにも一号から続く歴史が背後にありますしね。

さて、話を共通項探しに戻して……4つの物語、全ての共通点は、主人公が死線を潜り抜けていること。

ラ・ヴォスから仲間をかばって死ぬ運命のクロノを、ガッシュが作り上げたアイテム・クロノトリガーを使い、人形ドッペル君と入れ換えて救う『クロノ・トリガー』。

犬を助けようとしてマンションの崩壊に巻き込まれた瀕死の重傷を負った伯亜凌駕が、天才外科医・仲代壬琴の手腕と気まぐれで救われる『アバレンジャー』。

溺れて死ぬはずだったセルジュが、エンディング後、星のお守り袋(クロノトリガー)で時を渡ってきたキッドに救われる『クロノ・クロス』。

ガキの頃、事故で死んだ乾巧がオルフェノクとして蘇っている『ファイズ』

死ぬはず、あるいは死んでいるはずが生きている……九死に一生は運命に抗う主人公(トリックスター)の条件であり、 死と再生を経るのがイエス・キリスト以前から繰り返されてきた物語のお約束なら、 流星塾を花形が作った理由が何であろうとも、スマートブレインの超医療技術もオルフェノクの記号も、しょせんは後付け。草加雅人がカイザに適応できる理由など、追求するだけ無駄なのかもしれません。浜辺でセルジュを溺れさせたヤマネコの行為を「狂っていた」「冷静な判断を欠いていた」としか説明できないのと同じに。

以上の事を踏まえて、二つの番組の最終回を強引にクロノシリーズに当て嵌めて予想してみると……

クロノ達のように、アバレンジャー達は神にも等しい異星生命体デズモゾーリャから世界を救った後、最終的には異世界から来た仲間たち……アスカ、マホロ、謎の少女、そして爆竜達と別れてエンディングを迎えるのでしょう。

セルジュのように、ファイズ=巧はオルフェノクの王をも宿命から解放し、二つの種族を調停し、生命が抱える傷を癒し、破滅的な未来を救う答を見つけるのかもしれませんが……非難轟々だろうなぁ、 アルティマニアならぬ、超全集や公式サイトを熟読しないと真相に近づく事もできない、哲学的なモノローグエンドを、朝の子供番組でやったら。

どうか、ファイズのラストでズルワーンなんて単語が出てきませんように……まぁ、出たら出たで笑いますけどね。




※『すごい科学で守ります!』長谷川裕一著 NHK出版 特撮番組を全て1つの時間軸と想定した解釈本。ロト・天空・DQ7を全て統合する年表を作るがごとき凄い本。

※ズルワーン……光と闇を超えた時の神の名。クロスのエンディングテロップで唐突に出てくる様は恒星の移動でサソリ座の人間が次々自殺する『仮面ライダーアギト』終盤以上に突飛。


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