仮面ライダーブレイド MISSING ACE 感想



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降り止まない雨に打たれながら、果てが見えない白泥色の水たまりに立ち、対峙する剣崎一真(主人公・仮面ライダーブレイド)と、 相川始(仮面ライダーカリス?)から劇場版は始まりました。

「52体のアンデッド(この世界での怪人)は全て封印した。キミが最後のアンデッドだ、ジョーカー。だがオレはキミと戦いたくないっ」雨音を押し返すように叫ぶ剣崎。 「うるさいっ、戦うことでしかオレとお前は語り合えない!」叫び返す始は手を広げ、ベルトを出現させ……2本の長い触覚を持つ緑色と黒のアンデッド体=ジョーカーの姿に変化。やむなく剣崎もベルトを巻き仮面ライダーブレイドの姿に変身。 両者の戦いの場には“アンデッドの封印”を象徴するクサリ(縛鎖)が幾本も垂れ下がり、広くても閉塞された室内だという圧迫感につつまれ、 降りしきる雨も、優しい天水ではなく闇を深める雲の重さの象徴に過ぎず……

逃げ場の無いバトルフィールドで、垂れた鎖を揺らし、水しぶきを上げて戦うのは、かつての長い時間をかけて戦友となっていった人間と人外の存在。 その決着は、ガードスラッシュする事も無く放たれたブレイドのキック。倒れ行くジョーカーの姿は、彼がこだわり続けた人としての……相川始の姿に変わって行き「天音ちゃん……」守りたかった少女の名を呟く。 封印のカードを投げるブレイド。 緑の光となった始を封印したカードは、ライダースーツではなく傷だらけの生身の姿をさらした剣崎の手元に戻ったものの、掴む力と気力を失ったその手から水中へと落ち……滴る血が葬送の花の様にカードの周りに落ち……剣崎も水の中へ倒れ伏す。

壮絶な最終回を暗示してますが……どうせまたTV本編とはパラレルなんだろうな、4作目だもん、もう慣れたよ。

2005 1/27追記 TVと映画はパラレルでした。戦わない平和を選んだTVでは、世界に2人のアンデッド。そんな最終回の直後に、戦いが終って4年だの全てのアンデッドを封印したなんて映画DVDのCMされても、まいっちんぐ。

そして4年後……
黒4ダム周辺めいた空撮シーン背景に、封印から解放された53体のアンデッドとライダー4人の種の生存をかけた……人知れず行われた熾烈な戦いなんて、日曜日の朝の番組見てない人はお断り的説明で、 本編が始まります。映画見るなら公式サイト等で予習はシッカリね、すぐ売り切れるバンフレット600円はあんまりアテにならないゾ。

怪しい洞窟に黒ガッパ姿という、良いサイレージの歌(動物のお医者さん113話)を歌いたくなる4人組が、立山連峰の遺跡を調査してます。 ニュージェネレーションでも紹介されていた新メンバー志村純一と……橘朔也?!(仮面ライダーギャレン) 4年後も相変わらず、秘密主義で行動不審なお人柄だこと。 遺跡を封印していたレリーフが壊されている事に4人は危機感を強めてます。

そして場面は唐突に占いシーンになっちゃいます。炎を操ったり、“ねるねるねるね”なテーブル伸び縮み技を駆使する占い師(内田春菊)に相性占い頼んでいるのは、 禍木慎(仮面ライダーランス)、と三輪夏美(仮面ライダーラルク)。別に恋人同士なワケでなくバトル時のチームワークを知りたいとの動機。 当然もう一人の仮面ライダーグレイブこと志村純一との相性占いも依頼。劇場版新キャラのフルネームと星座と血液型、そして各キャラの特徴を紹介するのに占いの依頼とは、ウマい手です。

その志村純一は変わってるけどイイ人らしく、街角で『恵まれない子供たちへの募金』活動やってる中学生たちに近づくと(サングラスのままじゃ怖いって)、不意に募金の“呼びかけ”に参加です。 サングラスを取ると優しい顔立ちの志村の助力を得て、中学生たちも声を限りに募金を訴え……戻ってきた禍木と夏美は呆れ気味。

そんな3人の携帯端末が不意になりだし、その画面を見た2人は駆け出し、志村はサイフごと募金箱に置いて、笑顔を残して2人を追います。純粋すぎると仲間に評される純一君、あんまり明日からのゴハンの事考えていなさそうです。

3人がやって来たのは、スキッドアンデッドが触手伸ばして立体的に暴れ回る交差点。 自動車を絡めたりする様は……イカというよりスパイダーマン(の、ライバル?)。変身して戦い始めるランスとラルク。そして遅れてきた志村はビルを駆け上がり「夏美!」一声かけて飛び降り変身です。 志村の合図でボウガンタイプの武器にスラッシュしたカードの力を纏わせて撃つラルク。思わぬ方向からの飛び道具攻撃に空へ逃れたスキッドは、上から降って来た仮面ライダーグレイブの斬撃をモロに受け……投げられたカードに封印されました。

ニューライダーのアクションの後……なぜか場面は色とりどりのバニーちゃんを侍らせた、茶色いイササカ先生(サザエさん)な着物姿に安っぽい王冠の白井虎太郎先生が編集者たちに接待されるの図になりました。 2000万部を売ったノンフィクション作品『仮面ライターと言う名の仮面』第二弾をめぐる編集者2人のゴマスリ合戦や、揉み手しつつも真綿で締めてくる『次回作』という圧力に、虎太郎はついに重い腰を上げます。

高そうなオープンカーに乗った虎太郎が訪ねたのは、集合住宅のゴミ収集場所で回収作業に勤しんでいる剣崎一真。管理人らしき松金よね子が、散らかってるゴミを文句言いながら掃いているのを見て「オレ、やります」とホウキを受け取るいい人っぷりを披露です。 剣使いのライダーってみんなこうなんですかねぇ。「悪いわねー」と手の開いた松金よね子は見慣れないオープンカーに早速乗り込み、色々いじり倒してます。 清掃会社に問い合わせて回収コースを巡ってきたオープンカー……生ゴミのニオイとかしませんか? で、虎太郎は姪の天音の誕生会の打ち合わせを口実に、剣崎に取材を申し込みます。そしてふと助手席を見て「ところで、この人誰?」なんか微妙なギャグですな。

見晴らしがいいホテルのレストランで、昼食ご馳走した虎太郎は「その後の仮面ライダーってことで、キミたちの今を取材させてくれない?」と申し込みますが、カードもベルトも烏丸所長に返却した時から、ライダーではなくなったと、剣崎は色よい返事をくれません。 でも天音ちゃんの誕生日なら行くと約束……そして観客が感じていた疑問をぶつけます「お前、牛乳は?」4年前はビン牛乳以外の飲み物を口にしなかったコダワリの虎太郎は、 グラス片手に鼻で笑い「飲むならワインでしょう」なんかすっかり天狗です。「お前、しばらく会わないうちにイヤミなヤツになったな」

次に虎太郎と剣崎が訪ねたのはプールで泳ぐ広瀬栞(オペレーターでTV版のヒロイン)です。間もなく結婚すると言い出して2人を驚かせた栞は「私だって結婚ぐらいするわよ」とサウナにエステとお式の準備に忙しく、 話をする虎太郎と剣崎も、買い物やサウナやエステにお付き合い。ブラ無しの横乳に後ろ向いて赤くなってるのが、なんとも微妙なファンサービス。結局、取材も誕生日会も確約もらえませんでした。

そして4年後の上城睦月(仮面ライダーレンゲル)は4回生で就職戦線まっただ中。 今日も今日とて会社の面接……って、ここで出ましたか555からのゲスト出演者、スマートブレイン新旧社長(泉政行と村井克行)。 月並みな面接は質問権の奪い合いから、履歴書のファイルの奪い合いに発展し「この、ぼんぼんがぁ」「ぼんぼんって言ったね、この万年係長!」なんか、掴み合いのケンカに発展。 縁故採用が幅利かせ、中間管理職のストレスがたまりまくってるらしきこの会社……他で内定もらったらここには絶対行くなよ、睦月ぃ〜。

いろんな意味で大変だった面接を終えた睦月を、ビルのホールで待っていたのが剣崎と虎太郎。 天音の誕生パーティに誘い「同窓会みたいできっと楽しいよ」と声をかけるも、あの戦いの事は忘れたい、普通に就職して平和に暮らしたいと睦月はケンもホロロで立ち去ります。 あの……望美ちゃん(睦月のカノジョ)、やっぱり戦いに巻き込まれて死んだのかな。

ビルの谷間の噴水広場で、「あいつ、昔に比べてイヤミなヤツになったなぁ」しみじみ言ったのは剣崎ではなく虎太郎。お前ほどじゃないと言いつつ、確実に流れた4年の歳月を剣崎が噛み締めていた時、 不意に人々の悲鳴が聞こえてきました。昔の習慣でそちらへ走った2人が見たものは、階段から降りてくる見たことのあるアンデッドたち。全て封印したはずだとうろたえる虎太郎。 剣崎は戦う手段は無いままに、人々を庇って木の棒をつかみます。しかしあえなく吹っ飛ばされ壁に叩きつけられピンチです。

そこへ颯爽と現れる志村達、3人並んで変身しアンデッドたちとのバトルを開始します。 その横でかなわないまでも戦う生身の剣崎。ラルクはそんな剣崎とアンデッドの間に割って入ります「何考えてるの、シロウトがアンデッドに勝てるワケないでしょ」 そう言うなりカードスラッシュしたボウガンで戦い始める女性ライダーに剣崎は手を止め観戦モード。そして封印されたカードの一枚を拾い上げ、それがラウズカードであることを確かめます。 そうっとカードをポケットにガメてる間に、ランスがカードスラッシュして強化した槍を投擲して3体のアンデッドを封印。

撤退していく3人に事情を聞こうとする剣崎でしたが、志村は追うなとジェスチャーで示し、背を向けます。立ち尽くす剣崎と違い、取材に燃える虎太郎はいそいそと3人を追って行っちゃいました。 行方不明の橘に相談できず、剣崎は睦月に「戦いが終ってなかったら?」と問いかけますが、何を言っているのかと相手にしてもらえません。

そしてカフェレストラン・ハカランダは皆がいつか戻る場所、昔のままの佇まいです。 しかし今日は貸し切り。4年前の天音の顔を印刷した誕生ケーキをテーブルに置く虎太郎に、今の写真は無かったのかと文句言いつつ「天音、喜ぶわ」と栗原遥香(虎太郎の姉て天音の母親)も誕生パーティの準備中。 ただ……4年前、父のいない寂しさを包んでくれていた始が、何も言わずに消えたことは、思春期の天音を酷く傷つけたらしく、家にもなかなか寄り付かない自暴自棄ぶり。 始が居候していた母子家庭は今崩壊の危機を迎えていました。

最近姪に会ってないという虎太郎に剣崎が呆れた時、思わぬ来客……睦月がプレゼント手にやってきました。この前は言い過ぎたと謝る睦月をみんなが温かく迎えたとき、 さらなる来客がハカランダのドアベルを鳴らしました。
「おまえらはっ」剣崎が思わず声を上げたのも無理は無く、そこには志村達3人組み。 「オレが招待したんだよ」事も無げにいう虎太郎でしたが、夏美たちには取材に協力したりパーティに参加する気はサラサラなし。 「あなたが、ブレイドだったとはね」敬意と言うより失望が滲んだ声の志村。そして夏美は剣崎のポケットから先日ガメたラウズカードを抜き取ります。 「このカードを回収に来ただけ、もう用は済んだわ、さよなら」3人はテラスから店の外へ出ると、お揃いのバイクにまたがります。

この前言ってた別のライダーは彼等なのかと聞く睦月も巻き込み、虎太郎のオープンカーで追跡を始める剣崎たち。 「ついてくるよ?」「ほっておけ」そう言葉を交わす夏美たちは海岸沿いを走って……スマートブレイン病院だった気がする白い建物に入りました。 そして「俺たちのチーフを紹介するよ」3人が剣崎に紹介したのは、黒ずくめ衣装にサングラスの「橘さん!?」

一方、グレちゃってる天音は茶色のブレザー制服姿で悪友たちとデパートをウロウロしてます。 コスメティックコーナーで、店員がお客のメイクアドバイスに夢中になってる隙をつき、ディスプレイされていた口紅3本をカバンに押し込み、「さっすが天音」と友人たちの賞賛にくすくす笑い。 しかし「あ、キミ……ちょっとカバンの中身を見せてくれるかな?」警備員(ゲスト……海堂こと唐橋充)に声かけられて、天音たちは一目散。 家具コーナーでクッション投げつけ、階段を駆け下ります。どんどん増える警備員たち(仮面ライダーの中身の方々)ですが、エスカレーター腹ばい落ちとかしちゃってなかなか追いつけません……って、スーツ着て無くても体張ってんなぁ。

話はライダーたちに戻り……橘に施設を案内され、厳重なセキュりティをくぐった先に安置されたレリーフ前へ行くあいだに、やっと剣崎たちは全ての説明を受けることが出来ました。
橘さんのたまわく……
53枚の全てのカードが揃った時(ガラステーブルに並べてる様子が神経衰弱風味)4つのカテゴリーキングが反応し(ピンクのビリビリの対角線を結んだ線から)新たな白いカードが現れた……というのです。 しかも、なぜか54番目のアンデッド、白いジョーカーが出現。危機を感じた烏丸と橘は全てのカードを永久に封印しようと、何処かの山中を走ってたらその車をジョーカーが襲撃。

カード入れたアタッシュケースを持たせて烏丸を逃がそうとした橘ですが、ライダーお馴染みのパターンで、トンネルの中で所長はアンデッドに背後から撃たれて死亡。その周りにカードが散らばり……半数近いアンデッドがカードから解放されてしまった。 剣崎と睦月はアンデッド封印の為なら協力したのにと橘の秘密主義に首傾げます。スペードのエースもクラブのエースも解放されていて、2人は変身不能だから新たなライダーシステムを作り3人の装着員を選んだという橘。

もう一体のジョーカーと白い謎のカードは関係している、そしてカテゴリーキングのラウズカードが集まったとき、バトルファイトの勝利者に厖大な力を与える何かか起きるらしいと言い出す橘さんは、研究施設最深部のレリーフの元へ案内します(ミミズがのたくったような古代字……よく解析できましたパチパチパチ)。 キングのカードのうち2枚は、志村が預かっているものの、残る2枚は解放されている……その封印に変身できない2人の協力要請するチーフに、 夏美と禍木は不満げです。「彼等の力は頼りになる」といわれてもブー垂れたまま。

生意気な彼等との一触即発の危機を仲裁したのは、携帯電話の呼び出し音。なんと天音が警察に逮捕されたという連絡でした。 慌てて警察に向かうオープンカーご一行。成長した天音は4年前以上に性格が悪くなっちゃってて「ほっといて」ばっかりのトゲトゲ少女。 昔の天音は社会訓練が足りないがゆえの生意気でイジワルな少女でしたが、当時から若干問題あった母親の薫育が積み重なり、いまや判ってイジワルしているイヤな娘に育ってました。

車から飛び出した天音を、任せてくれと追う剣崎(って、任せるなよ虎太郎)。クレーンゲームの猫のヌイグルミを寂しげに見つめる天音に話しかける剣崎ですが、 どうせ私なんかモードの心には届きません(決して演技が変だったからじゃない……よね)。「私を守るって言ってくれた始さんもいなくなった」その一点に関しては、剣崎は沈黙するしかありません。始を失踪させた……つまり封印したのは剣崎自身。

そんな天音に迫る影……ジョーカーが狙っているのはあの娘だとワラワラ襲ってくるアンデッドと、アンデッドに似ているけれど白くて同じヤツが何匹も居るアルビローチ……って劇場版になると戦闘員(みたいな怪人)が出てくるのにも、すっかり慣れました。アギトの頃からの伝統になっちゃってるし……あとはTV本編にも出るのかどうかがチト楽しみ。

天音を守りつつ、路地を逃げ惑い金網登ってがんばる剣崎ですが、障害物を力づくで排除して追ってくるアンデッドたちにひと気のない工場へ追い詰められます。 睦月も巻き込み生身で戦う……って睦月ってば意外に生身で健闘しています(アルビローチ相手なら)。しかし本物のアンデッドにはかなわず追い詰められていった時……ニュージェネレーションズ到着。 アンデッド出現の反応は橘たちも感知済み(ヘキサな画面が立体的でカッコいいぞっと)。しかも復活のギャレン。その勇姿を憧れの目で見る剣崎と睦月が新鮮です。アルビローチに囲まれ気絶した天音を醒銃ギャレンラウザーで撃ちまくりのギャレンは、カテゴリーエース・スパイダーアンデッドと対決です。

以前、モズク中毒だった頃にゼブラアンデッド(映画ではビジネス街バトルで封印だっけ?)と戦った気がするドッグみたいな場所で、Jフォームとなってカード3枚コンボ、スパイダー抱えて宙に舞った状態でのバーニングショット0距離射撃で見事封印。ヘタに距離を取るとマズい相手とはいえ33話冒頭の手際の悪さとは大違いのカッコよさです。 そしてクラブのカードを睦月にパス「お前のカードだ、チェンジしろ」決意の表情でレンゲルに変身する睦月はレンゲルラウザーでアルビローチをバッタバッタとなぎ倒します。 いやぁ、ギャレンもレンゲルも9月現在のTV版とは別人のようなカッコよさ。

戦闘終了後、新旧ライダーの協力を促す橘ですが、力は認めても禍木たちは睦月や剣崎の力は要らないと生意気な態度です。 売り言葉に買い言葉。剣崎も、夏美たちと一緒でなくてもアンデッドの封印は出来ると、施設を立ち去っちゃいました。

剣崎は結婚に向けた荷作り中の広瀬を訪ねます。睦月を戦力として昔の仲間でサポートし、アンデッドを封印しようと誘いますが、普通の結婚をして普通の女になると栞ちゃんは食器を梱包する手を止めません。 でも、思うところはあったらしく帰ろうとする剣崎に忘れ物だと示した台所のカウンターの上には……アンデッドサーチャープログラムを入れたCD-R。「私が今出来るのは、これくらい……」

と言うわけで虎太郎の豪華マンションを基地として、旧ライダーチームが始動です。 お邪魔していいのかとビビる睦月に、例のベストセラーを示し「どうせ俺たちの事書いて儲けた金で、勝ったマンションだから平気」と笑う剣崎。 一同が乾杯した時、鳴り出したのはアンデッドサーチャーのアラーム音です。しかしパラボラアンテナはどこに設置したのやら。

無数の車が玉突き状態で煙吹いてる自衛隊駐屯地……じゃなくて公園の道に駆けつけた剣崎と睦月を迎えたのはスペードのカテゴリーエース・ビートルアンデッド。 変身しバトルに突入したレンゲルは、ブリザード(何だっけ?)で見事封印に成功し、剣崎にチェンジ用カードを渡します。ホッとしたのもつかの間……少し遅れてやってきたランスとラルクが仕事の邪魔をするなと、なんとレンゲルを攻撃してきます。 止めろと制止する剣崎の声も聞こえないらしい2人。

さらに志村が「ブレイド、あなたの力を見せてほしい」と進み出ます。やむなく変身する剣崎。しかし久しぶりに変身した仮面ライダーブレイドの敵は、味方であるはずのライダー。4年前の始とのバトルよりは……殺伐としてないかな。 両者の戦いを手を止めて見つめるランスとラルクとレンゲル。そして決着はカードスラッシュありの赤色発光ライトニングブラスト(雷必殺キック)だったかな。
「さすがですね、ブレイド」いやぁ、たて続けの戦闘に脳が麻痺状態、このあたり特に記憶がハッキリしません。 さらにギラファアンデッドが……出てきたよーな……そしてブレイドがJフォームになって、地上すれすれを旋回しながらライトニングスラッシュで倒していた気がするのですが……。

ガラスの館のような例の施設に新旧ライダーが集合し、 睦月と剣崎の力は3人に劣らない、5人で力を合わせて……と戦隊みたいなことを言う橘に背を向ける禍木と夏美は、暗いガラスに背を預け「面白くない」「もっと、もっと強くなってやる」とライバル心と言うより敵愾心を燃やしてます。

そしてフラフラと霧の草原を散歩していた禍木はクラブのカテゴリーキング・タランチュラアンデッド(人間態・嶋さんは出なかったか)に遭遇。色めきたってカードをスラッシュ。 槍の一撃で倒しキングのカードを手にします。しかし戦いに消耗したまま施設に帰ってきて、ホールに入った直後、部外者が入れないセキュリティ済みの施設内で、何者かに背後から襲われ、あっさり倒されちゃいました。 何かを伝えようとする禍木の手にあるカテゴリーキングを奪ったのは夏美。

4とJのカードを握り締めたまま事切れた禍木を発見した剣崎たち。 ダイイングメッセーから仲間内の裏切りを予感する中、志村のポケットから夏美は3枚のカテゴリーギングを掏り取ってしまいます。 しかし、禍木を襲った敵を分散して探していた時に……夏美は誰か知り合いに首を絞められカードを奪われてしまいました。 またも死体になっている新世代ライダーの適合者を見つけてしまう一行。その手にはやはり4とJのカード。

「可能性は2つ、夏美が禍木を襲ってカテゴリーキングを奪った後、何者かに襲われたのか。禍木を襲ってカードを奪った者を夏美は追いかけて返り討ちにあったのか」そう推理する志村も、ダイイングメッセージに込められた意味は判りません。 互いにアリバイの無いライダーたちと、お話は突然に『そして誰も居なくなった』ワールドに突入です。

謎を抱えたまま、コンサートイベント(演奏者はライダーチップスの人)中のハカランダに立ち寄った剣崎は天音があれから戻ってないことを知って探しに出かけます。運良く公園で座り込んでる天音を見つけた剣崎は、リボンで飾ったビニールラッピングのヌイグルミの猫をプレゼントです。 「何よコレ」「誕生日プレゼントだよ」「私もう子供じゃないのよっ」以前クレーンゲームでほしそうにしていたヌイグルミ……文武両道らしい剣崎が取ったんですかねぇ……がんばって。

「そうかな、本当に子供じゃないのかな」ヌイグルミもって追っかけた剣崎は、大人は人の心を分かる人間のことだ、お母さんの心の痛みを判っているのかと食い下がります。 「お説教しないでっ」キレた天音の心はまたもいなくなった始に回帰……映画の天音は体は14歳心は10歳ってことでしょうか。

そこへ、しつこく天音を狙ってアルビローチが襲ってきました。剣崎はブレイドの変身光畳で、ビリヤードのゲームスタート時みたいにアルビローチを蹴散らし(この使い方も懐かしいなあ)ブレイドに変身。 なぜかまた駐屯地や工場みたいな所に追い詰められつつ、他のメンバーの助力を得て何とか互角に戦っていきます。

執拗に狙われる天音、それを狙うアルビノジョーカーが誰に擬態しているのか、ダイイングメッセージの結論が出ない虎太郎は、栞の結婚会場、ウェディングドレス着用中の花嫁控え室に押しかけて知恵を借りようと一生懸命。 ちなみに栞の結婚相手がジョンソン家だったかなんか国際結婚ぽくて、花嫁介添え人が関西弁の白人女性なのは、笑うところでしょうか。 乗り気じゃなかった栞も、4とJの謎が気になるらしく本気で考え始め……「わかった、ジョーカー正体。このままじゃ剣崎くんたちが危ないっ」白いドレスのすそをからげて式場の廊下を大疾走……やっぱり笑うところ?  あと、オープンカーに乗る直前、牛乳おばさんのビン牛乳買って立ち飲みする虎太郎は、あざといながらも、昔に戻ったと観客を安心させるいい手ですなぁ。

駐屯地……もとい公園の混乱は続いてます。橘は天音を保護してトンネルの中へ連れ込み……怖い顔でなぜ狙われるのか説明です。 古代の儀式に使うレリーフがあった立山は、天音の父が遭難した場所。レリーフを壊したのは栗原晋の可能性が高い。儀式には遺跡の扉を開けたものの命が必要、しかし栗原晋は死んでいる。 「キミは父親の代わりとなるカギだ。太古の力を得る儀式の生贄だ」そこまで説明したところで救援を求められ、こころにいろと駆け去る橘。

バトルには犯人がわかったと言う栞と虎太郎がオープンカーで乱入。何匹かのアルビローチを跳ね飛ばしてキチンと戦力になっているあたり侮れません。 天音の元へ駆けつければトンネルの中で倒れている少女。アルビローチの毒にやられたのか痺れて動けない天音をグレイブに任せて一度立ち去る一同ですが……グレイブがしゃがみこんだ瞬間、いきなりの攻撃が仕掛けられます。

変身解除されつつ、人間離れした動きでトンネルの天井に張り付く志村……気色悪い演技が光ってます。「まさかとは思ったが、お前がジョーカーだったのか」4とJは「シ」ムラ・「ジ」ュンイチのイニシャルを示したダイイングメッセージだと栞に説明されて、逆ギレし、天音をさらって逃走を図……ったかな。 多くのアンデッドに足止めされて追えない中「睦月、カリスを復活させるんだ!」「そうかっ」橘の指示で初めてリモート(アンデット解放)能力が有効に使われました。

最強のガーディアン仮面ライダーカリス……ただし天音とその周囲のみの限定守護神の復活は今作一番の燃えシーン。 「その子に、近づくなぁっ」アルビノジョーカーに挑むのは、ハートのカテゴリーAの姿を借りた、もう一人ジョーカー。 傷つきながらも天音を救い出し、お姫様抱っこで戦闘区域を脱出します。

静かに川が流れる砂地に天音を横たえ「きれいになった」少女の成長をいとおしむように、始の姿で頬に触れていたとき「油断したな」いきなり背後から攻撃を受けます。 後ろからの攻撃多くないか、アルビノジョーカー(禍木も背後から……あ、夏美は正面から首絞められたんだっけ?)

チェンジのカードを使う余裕が無く、本来のジョーカーの姿で応戦する始……冒頭に続いて二度目のジョーカーバトルも水を蹴散らす戦いです。 ネガとポジな色違いアンデッド同士のバトルは、先制攻撃されていた始の敗北に終わりました。 「やめろぉ」始が必死に手を伸ばす向こうでは、 4枚のキングのカードを天音の周囲に浮かべたアルビノジョーカーが白いカードを取り出します。「コレは人間の命を封印するカード……」そこへピンク色の光となって吸い込まれていく天音。 「天音ちゃん!」結局復活した始の顔を一目見ることなく、天音はカードになっちゃいました。

ブレイド達が駆けつけた時には、アルビノジョーカーは立ち去った後。絶望に臥せっている始を揺さぶるブレイド 「復活したばかりで、もうお寝ンねかよ。いくぞ」 ぶっきらぼうで温かい剣崎の言葉に始は再び立ち上がり……ライダー4人組のバイク走行シーンとなりました。わざわざそれぞれの専用マシンを取りに戻った間抜けな図は考えない方向で、一つよろしく。その……燃えだよ、燃え……始はどんなバイクでも乗ってカリスに変身すればシャドーチェイサー化するしぃ。

その頃、施設の最深部にやってきたアルビノジョーカーは天音のカードをレリーフにセットします。「人間の命を捧げて得られる力……これがバトルファイトの勝利者に与えられる古代の力かっ」ピンク色の光に包まれ巨大化していくアルビノジョーカーは天井ぶち壊し、パンフによると『フォーティーン(14)』と呼ばれるモノになっちゃいました。

海岸近くまでバイクを飛ばしてきたブレイドたちは、嵐の前触れのような暗い雲と風の中、施設のあたりから天を貫く紫の光柱が立つのを見ます。 そして垂れ込めた雲の下を彗星のように飛ぶ、幽霊めいた光の塊が接近し……中から現れたのは独鈷と剣を携えた白いマリリス(FFシリーズ)みたいなヤツでした……火も吹くし。

声で辛うじてアルビノジョーカーとわかる本体に向かって、Jフォームとフロートで挑むライダーたちですが、アッサリけちらされて墜落。 歯が立たないまま、ギャレンとレンゲルは崖から落ち、再び挑んで落ちたブレイドをカリスは助けこのままでは勝てない「ついて来い」と施設へいざないます。何か方法があるんだなと、確認してついていくブレイド。 その間、ギャレンとレンゲルは、14の攻撃避けながら崖っぷちを逃げ回る役……しみじみと仲の良い師弟です。

破壊され、雨が降り込む施設最深部のレリーフ前に来た剣崎と始は、ほのかに光る天音のカードを見上げます。 古代の力は人間の命を求めている。光の前に立ち、代わりの命を捧げれば天音は戻ってくる。そして身代わりとなったものの命ごとレリーフを貫けば、14の力は弱まり勝機が見えるはずだ。 「人間の命が必要なんだ」始の言葉に頷く剣崎は、後を頼むと微笑んでレリーフの前に立ちます。

剣崎の体をピンク色の光が包んだ瞬間、背を向けていた始が突然身を翻し、剣崎を突き飛ばし光となってレリーフに吸い込まれ、解放された天音が実体化。 何が起こったのか把握できない剣崎にレリーフの中から始が貫けとうながします。出来無いと首を振る剣崎に、このままでは全てが終ってしまう「人間を守るのがお前の仕事だろう!」迷い無く叫ぶ始に重なるジョーカーの姿。 眠ったままの天音を一瞥し……慟哭しながらレリーフを始の命を貫く剣崎……その首筋にちった緑の返り血が冒頭とは別の意味で痛々しいです。

14の攻撃で変身解除し、次の一撃でやられる寸前だった橘と睦月は、不意に苦しみ始めた巨大な敵を見上げました。そこへ駆け込んでくる剣崎。 「皆であいつを倒すんだ、始も一緒に」何かを察したらしい橘たちと共に3人並んでの同時変身。 燃え展開のまま、エボリューションのカードで13枚全てのカードの力を宿しキングフォームとなったブレイドが、剣を掲げ……10 J Q K エースのカードをスラッシュ。天高く舞い、浮かび上がった5つのカードの力をまとった剣を、 14の……アルビノジョーカー本体部分につきたて、一気に下までズンバラリン。墜落し炎に包まれる太古の悪魔……

そして、全てが終ったハカランダでは、天音の14歳の誕生パーティーが開かれていました。素直に皆の祝福を受け、今の天音の顔を印刷したケーキのロウソクを吹き消す天音。 気絶している間、近くで始さんが命がけで戦ってくれていた、そんな気がすると語る天音は「そんな始さんに対して、今までの自分を振り返ったら……恥ずかしくなっちゃって」と可愛い笑顔。 そして、「始さんっ」不意に窓の外を見た天音は駆け出し、後を追った剣崎たちが見たものは……ライトアップされた十字架状のオブジェでした。 見間違いかとガッカリする天音に「始はいつでも天音ちゃんの側で、見守ってくれているよ」そう優しく語る剣崎……

泣ける引き+ライダーチップスの新オープニングテーマ・映画バージョンが熱いんですが、 背景の図がドンチャン騒ぎで、コスプレパーティーだったりするのはなぜなんでしょう。 結局新たに開発したライダーシステムと部下3人を失った橘さん、喪中じゃないのですか。そしと国際結婚は破談したのかなぁ、栞ちゃん……しかもラストカットが二日酔いらしく高いびきの朝(汗)。

映画のクライマックスで、最強必殺技はロイヤルストレートフラッシュってトランプライダーらしいオチだなぁ、とか、これってダイの大冒険? とか、余計な事を考えちゃう自分がちょっとイヤンでしたが、このED見て、 そんな感想もアリかなと、ホッとしたのは確かです。

もしかすると……併映のデカレンジャーが後に来た場合の為の、トトロOP『さんぽ』効果(=火垂るの墓対策)を狙ってるんだったりして。
ライダーが後だと、せっかくのバンの祈りが……空しく聞こえるもんなぁ。“悲しみの時を止めた”んじゃないのかよって。そんなわけで泣いていいのか笑っていいのか呆れていいのか悩みつつ、デカレンジャーへ出動だぁ!


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